【銀魂】常連さんは紙面のひと【沖田総悟】

カビはちょっと ページ37

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――沖田さんに欲しいものを聞かれた日から、一夜明けて。



「――こんにちは、沖田さん」


「よー」




現在昼前の団子屋には沖田さんが訪れていた。･･ちなみに、沖田さんが訪ねてくる時間は完全に元通りで。


それというのも、どうせサボってここに来るならついでに団子を買わせようということでお遣い係を任せたと昨日土方さんから電話があったのだ。




「なんだかすみません、配達するって話だったのに」


「あり、もう話が行ってんのか」


「はい、昨日電話がありました」


「まぁ気にすんじゃねーや。どっちにしろ配達は俺が止めさせる気だったし」




･･･そう言う沖田さんの目は完全に本気で、どうやら本当に私に配達をさせてくれる気はないらしい。


配達くらい大丈夫なんだけどなぁ、なんて私がぼやいていれば。




「――つーかお前ェ、決まったか」


「なにがですか？」


「欲しいもん。考えとけっつっただろィ」




――と、不意に話題に出されたそれ。･･欲しい、もの。




「･････それ、ですか･･」


「ちゃんと考えといただろーなてめー。何もねーんならカビの生えたゴム手袋とかにしちまうぜ」


「･･果てしなく要りませんよね、それ」




沖田さんの言葉に苦笑いで答えた。カビ生えてるとなぁ、ちょっと。


――それに、実を言うと昨日ずっと考えた末欲しいものとやらの見当はついていたりする。･･ちょっとだけ不安要素はあるけど。




「本当に決めてねーのかお前ェ」なんて私の答を待つ沖田さんをちらと見上げて。

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