【銀魂】常連さんは紙面のひと【沖田総悟】

ほんの僅かな誤差の間、 ページ3

――例えば、なんだろう。



「沖田さん、おしぼりどうぞ」


「すまねーな」




･･･こうやって何かを手渡す時とか、下手したら話すだけでも、こう･･。


(･････照れてしまう･･。)


理由は、大体わかっている。




――ここ数日、いつもより遅くここへ来る沖田さんは配達の時間を狙いすましてはいるんだけど･･でもまぁ、僅かながら誤差があるわけで。


本人はというと配達用の団子を受け取るまで帰ろうとしないから、それが出来上がるまで･･僅かな誤差の間も待っていてくれているのだ。･･従業員としては複雑だけど、恋する乙女としてはちょっと嬉しい。




だって、その僅かな誤差の分沖田さんと一緒に過ごせるのだ。そりゃぁ舞い上がってしまっても仕方がないというもの。･･･しかし。



しかし沖田さんと一緒に過ごす時間が増えるということは、イコールで意識する時間が増えるというわけで。





――――簡単に言えば、こじらせた。


そのうち自然に諦めて自然に笑い話とするつもりだったそれ――沖田さんへの想いを、私は完全にこじらせてしまったのだ。




(････本当、どうしよう。)




恋愛の類のことなんてこれっぽっちもわからないし。それをこじらせた場合の対処なんてもってのほかだ。私の知識はゼロに等しい。

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