【銀魂】恋する居候【土方十四郎】

まさに支離滅裂 ページ45

――――――


「――おじちゃん、ごちそーさま」


「おう、気ィつけて帰れよ。また来てくれや」


「はーい」



飲み屋の暖簾をくぐって夜の道を歩きだした今現在、時刻は深夜二時過ぎ。･･･こりゃ帰っても鍵閉められちゃってるかな、とそんな心配は私の頭に浮かびもせず。




「――はー･･」




――ただなんとなく、気分が良かった。所謂高揚状態というか、酩酊状態というか。ふらりふらりと、歩く足が覚束無いことには気づいていたけど、特に気にもしなかった。



(････あー･･、それにしても。)




いつぶりだっけ、酒飲んだのなんて。前の勤め先では外に遊びに行く暇がなかったし、あったとしても酒を飲もうだなんて思わなかったし。



下手をしたら酔うのなんか数年ぶりかもしれない。土方くんありがとね、君のおかげで久しぶりに酔っちゃったよ私、だなんてよくわからないことを思ったりもして。････多分これが、酔っ払いの思考回路ってやつだ。まさに支離滅裂。




――――そして、睡魔と気怠さが頂点に達し、見知らぬ塀へ背中を預けつつ座り込んだ、そのとき。






「･･テメェ、こんなとこでこんな時間に何してやがんだ。」



･･･目の前に、黒い制服が一人。




「――土方、くん･･？」

深夜のお江戸の片隅にて　side土方くん→←in飲み屋

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