【銀魂3z】意外な本心【沖田総悟】

幼馴染 ページ8

「――――幼馴染なんかじゃ、ねェ」



「･･え･･･、」





聞こえた言葉が、やけに軽く感じた。･･･多分それは、私がその言葉をよく理解できていないからで。




「･･･････それは？」




至近距離のその顔に、尋ねた。




「････幼馴染なんて望んじゃいねーんでィ、俺ァ」



「･･･そんな、」



「いらねェ、んな名前」





何が幼馴染だ、と吐き捨てるように言う総悟。





「･･んな距離を大事にしてたら、欲しいもんも取り零しちまう」




――距離？


･････幼馴染とは、距離なのか。距離が、ないのではないのか。




それとももしや、私が総悟を縛っていたのか。意図せずとも、“欲しいもの”とやらを手に入れる邪魔をしていたのか、私が。





「――――総悟」




そこまで考えたそのとき、私の口は勝手に動いていた。




「･･･総悟が、言うならさ。いっそ――」




･･いっそ。いっそのこと。







「――――やめようか、幼馴染」





――待ってって、私。止まって、私の口。



こんなこと言いたいんじゃないでしょう、私は。こんな･･、総悟との距離を、大きくするようなことを。





「････いいぜィ、別に」



「そ･･っか」






そこで遠くなった総悟の顔。私は、総悟の方へ向いていた視線を自分の膝小僧に落として。





「･･送ってく」



「･････あんがと」




異様な雰囲気の中、私たちは立ち上がったのだった。

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