隣人事変 III【角名倫太郎】

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▼side 治



俺の知る角名倫太郎という男は簡単に言えば面倒くさがりで


悪い意味で捉えられる事が多いそれは

俺からしてみれば態々面倒事を起こさない利口な手段に思える


せやから、やばい性癖を持つこの男がそれこそ面倒を呼び寄せるような事するんが意外やった




…まあ、そんな事今はどーでもええ。




シ「4名様ですね、会員カードは？」

渡辺「持ってます！」

角「…」

治「…」

侑「…」




テス勉のことをどこで嗅ぎつけたか知らんがすっ飛んできた俺の片割れ


何を思ったのか受付カウンターにくるや否や、俺の後ろにピッタリくっついたと思えばコレや




侑「………せ……誰か、俺を殺せ……」

治「お前のせいで俺も滑ったみたいになってるやん、どーしてくれるん？」



幽体離脱〜言いながらぬっと俺の影から現れた侑の目の前には真っ赤な髪のおねーさん


表情が微動だにしない。



侑「なんでなん…メリーちゃんのバイト先言うからいると思うやろ……メリーちゃん………」

角「受付にいるとは限らねぇじゃん」

治「ほんま恥ずいわお前と同じ顔なの」



淡々と受付をこなすおねーさんは氷のようにクール

口に咥えてるのって、飴ちゃんなんかな？



『あれー？倫太郎じゃん』



そんないたたまれない空気の中、やっと姿を見せたメリーちゃんは女神かと



侑「メリーちゃぁぁあん！なんでカウンターに居らんの！？」

『はっ！？ツム助？え、何！？便所掃除してたんだけど！』



こらこら客の前で便所なんて言うたらアカン

盛大に滑ったツムはガクガクとメリーちゃんの肩を揺らした



シ「……幽体離脱」

角「あ。」



だがしかし、ポツリ呟かれた声にまたピシッと空気が冷えた



『なになに〜？シオンさん』

渡辺「あんな店員さん、今侑と治が盛大に、」

侑「あーっメリーちゃん！俺ら今日ここに勉強しに来てん！せやからまたすーがく教えて！」

『いや、労働中だわ』



ガックリと肩を落とすツム
悔しいことに俺も同じ気持ち



侑「アカン…テストの結果悪くて、おまけにこないなところに来とったのバレたら北さんにぶっ飛ばされる…」

治「そうしたら宮ツインズ解散か
あの世で先に待っとってくれツム」

侑「お前も大した点取れへんやろ！！」



アホ抜かせ、お前よりかはいい点数とっとるわ！




※ この場合性癖とは人間の心理、と捉えて頂けたら幸いです

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