第二十三話 ページ25
席に着いた中也は水を喉に流すと、首領からの指示、そしてAの異能力についても洗いざらい話した。
「じゃあ、中也さんが出て行く前に云いたかった事って、」
「嗚呼、この事だ。事後に云う内容でもねェし、タイミングは悩んでたンだよ」
煙草を蒸かしながら中也は眉を下げて、悪い、とだけ云う。Aは大丈夫だと首を振ると、二人の様子を見守る太宰は聞こえるような大きな溜息を吐いた。
「ねーちょっと。私を置いていちゃいちゃしないで呉れる?」
「悪ィな、イイ女とイチャついてよ」
「うっざ」
べーっと長い舌を出して不貞腐れる太宰。その様子を見たAは機嫌を治したようで、くすくすと笑う。
「はーあ。……で、本題なのだけど。中也はAちゃんを探偵社に預けたいって?」
「数日間だけだ。先刻も云った通り、次の任務は“Aにとって“危険すぎる戦いになる。首領には前線に突っ込んだAは死 んだと伝えて、それから……」
「待って、中也さん」
手に持つグラスをゴトンッ、と強く置くと、Aは中也の頬を思い切り叩いた。
「わーーーお」
店内に乾いた音が響き、再び静寂が戻る。
太宰は表情を引き攣らせた。頬を引っ叩かれた中也は、状況を呑み込めずに真っ赤に腫れた頬を擦りながら恐る恐るAを見た。
「え、A、お、お前……」
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椛 - 時間があれば読み返しています!!とても魅力的な作品を読ませていただきました!! (2022年3月23日 22時) (レス) id: 9bee9bd17c (このIDを非表示/違反報告)
はるなか(プロフ) - 梨桜さん» ありがとうございます!格好良さを全面に出したかったので良かったです〜!新作も宜しくお願いします! (2022年1月22日 13時) (レス) id: 379cc49933 (このIDを非表示/違反報告)
はるなか(プロフ) - 引きこもりちゃんさん» 更新の度コメントくださってありがとうございました!また機会があったら読み返してあげてください(〃'▽'〃) (2022年1月22日 13時) (レス) id: 379cc49933 (このIDを非表示/違反報告)
梨桜 - 完結おめでとうございます!最後までクッソ格好よかったですね…新作も楽しみにしています!! (2022年1月22日 10時) (レス) @page50 id: 76e4dc31cc (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - 完結おめでとうございます!この話凄い好きです。お疲れ様でした。 (2022年1月22日 0時) (レス) @page50 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるなか | 作成日時:2021年11月26日 22時