検索窓
今日:9 hit、昨日:9 hit、合計:49,999 hit

第二十三話 ページ25

席に着いた中也は水を喉に流すと、首領からの指示、そしてAの異能力についても洗いざらい話した。

「じゃあ、中也さんが出て行く前に云いたかった事って、」

「嗚呼、この事だ。事後に云う内容でもねェし、タイミングは悩んでたンだよ」

煙草を蒸かしながら中也は眉を下げて、悪い、とだけ云う。Aは大丈夫だと首を振ると、二人の様子を見守る太宰は聞こえるような大きな溜息を吐いた。

「ねーちょっと。私を置いていちゃいちゃしないで呉れる?」

「悪ィな、イイ女とイチャついてよ」

「うっざ」

べーっと長い舌を出して不貞腐れる太宰。その様子を見たAは機嫌を治したようで、くすくすと笑う。

「はーあ。……で、本題なのだけど。中也はAちゃんを探偵社に預けたいって?」

「数日間だけだ。先刻も云った通り、次の任務は“Aにとって“危険すぎる戦いになる。首領には前線に突っ込んだAは死 んだと伝えて、それから……」

「待って、中也さん」

手に持つグラスをゴトンッ、と強く置くと、Aは中也の頬を思い切り叩いた。

「わーーーお」

店内に乾いた音が響き、再び静寂が戻る。
太宰は表情を引き攣らせた。頬を引っ叩かれた中也は、状況を呑み込めずに真っ赤に腫れた頬を擦りながら恐る恐るAを見た。

「え、A、お、お前……」

第二十四話→←第二十二話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (84 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
145人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 時間があれば読み返しています!!とても魅力的な作品を読ませていただきました!! (2022年3月23日 22時) (レス) id: 9bee9bd17c (このIDを非表示/違反報告)
はるなか(プロフ) - 梨桜さん» ありがとうございます!格好良さを全面に出したかったので良かったです〜!新作も宜しくお願いします! (2022年1月22日 13時) (レス) id: 379cc49933 (このIDを非表示/違反報告)
はるなか(プロフ) - 引きこもりちゃんさん» 更新の度コメントくださってありがとうございました!また機会があったら読み返してあげてください(〃'▽'〃) (2022年1月22日 13時) (レス) id: 379cc49933 (このIDを非表示/違反報告)
梨桜 - 完結おめでとうございます!最後までクッソ格好よかったですね…新作も楽しみにしています!! (2022年1月22日 10時) (レス) @page50 id: 76e4dc31cc (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - 完結おめでとうございます!この話凄い好きです。お疲れ様でした。 (2022年1月22日 0時) (レス) @page50 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はるなか | 作成日時:2021年11月26日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。