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抱き締めたまま頭を撫でられて、

どうにでもなれ、と悪魔の背中に回した腕に力を込めた。

不思議に落ち着くのはやはり悪魔が似ているからなんだろうか。

「私ね。虐められてたんだ」

唐突に吐いた言葉に頭上の手が止まるのが分かった。

そりゃ驚くか。

「その同時期にお兄ちゃんが亡くなって。

それで1回舞台から、

芸能界から、逃げたの」

こんな重い話言わない方がいいんじゃないかと思ったけど、

今更話すのをやめることはできない。

「お婆ちゃんがね、日本人なの。

だからしばらく日本に居て、韓国からも逃げてた」

だからかって言葉はきっと私が日本に詳しい事の納得だろう。

黙って話を聞いてくれる悪魔に感謝して、

もう一度口を開く。

「しばらくして、落ち着いた頃に、

お婆ちゃんが私の鼻歌を聞いて、

舞台で歌ってる私を見てみたいって。

そう言ったから韓国に戻ったの」

涙はいつしか止まって。

頭上にあった手は濡れた頬をそっと撫でる。

「その時から普通の人って考えはしなくなった。

私はあくまで芸能人で。商品。

ずっと監視されてる状態にいて、

理想の人で居続けなきゃいけない。

元々ヒョンって呼んでたし、

そこは変えずに必要以上に近づかない様にして。

ペンに何も言われない様に予防線貼って。

あくまで男女の関係じゃないんだよって、

そう思ってくれる様に。

そんな風に頑張ってたらウギョルが決まって。

正直死ぬほど嫌だった。

叩かれるのは目に見えてたし、

あんたが…ハニが嫌いだったから」

真っ直ぐ目を見た私に、

知ってると笑う顔がどこか悲しい。

「俺も嫌いだったから。

お互い様だろ」

そう言って頬から離れた手を、そっと握った。

驚いて私を見る悪魔をしっかりと見つめ直して、

でもと口を開いた。

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やふこ(プロフ) - ああ!今回は弟たちのやり取りも見れて、そうだったの?ってなりながらも、ハニくんが甘くて手が止まらなかったです!!すぐ続き、行ってきます!!← (2023年1月18日 9時) (レス) @page50 id: 76622097b3 (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - koro39さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2022年3月12日 6時) (レス) id: c0ca8cff26 (このIDを非表示/違反報告)
koro39(プロフ) - 完走ぜひ!!一気読みするほどハマりましたー! (2022年2月22日 23時) (レス) @page48 id: 3d70232f0d (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - 於音###さん» ありがとうございます、心底嬉しいです!完走までもう少し、頑張ります (2021年9月15日 1時) (レス) id: e197707fad (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - 千笑さん» ありがとうございます!!そうです!バーノンくんを励ましてました!! (2021年9月14日 23時) (レス) id: e197707fad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rui* | 作成日時:2020年11月15日 19時

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