六十八話 ページ20
Aside
いつも、母さんが許すわけがないとか、兄さんに迷惑をかけたくないとかで逃げていた。
あたしだってヒーローを目指したい。
努力は報われない。誰も、認めてはくれない。そうだと思っていた。
それは違った。
認めてくれる人がいる。ヒーローになって、母さんに言いたい。
何かを、伝えたい。
何かはわからない。何処か、もどかしい。大事な何かを、伝えたい。
母さんに聞きたいんだ。
『母さんはあたしを愛してるの？』
そんな答え、わかりきった事なのに。
昔の霧がかかったように思い出せなかったことが急に思い出せた。
愛されたかった、それだけなのにそれだけでこんなにも大事なことを忘れていた。
『例え、お前がどうなろうと……。
私はお前を産んで良かったと思っているのよ。貴方達は大切な宝物。
だから、ね。
お前がなりたいのなら、なりなさい。
お前の言う、カッコいいどんな人でも救えるようなヒーローに…。
私達の事は考えなくていい。
貴方のなりたいように、なっていいのよ。』
嗚呼、そうだった。
あの人はそう言ったんだ。
カッコいいどんな人でも救えるようなヒーローに。なりたいんだ。
昔の夢は今も変わってはいない。
あの頃の憧れは変わっていない。
なりたいようになっていいのよとあの人は言った。他人の目なんて気にするな…。
あたしは、ヒーローになりたい。
母さんがなんと言おうと、昔と変わってしまっていても、ヒーローにどうしてもなりたいんだ。
どんな人でも、笑っている世の中に《自然体》である世の中を……。
本質的には、昔とあたしは変わっていなかった。
迷いはなくなった。
先生、ありがとう。
大事なことを、思い出させてくれて。
其からは直ぐに終わった。
個性が戻ったので、姿を消してワープで先生の後ろに回った。
その時に気づかれたが。個性を使われる一瞬前に伸ばされた捕縛布を掴んで引き寄せ、鳩尾を蹴った。
その後また姿を消して、ワープしカフスをつけ終わり、試験終了。
緑「……先生。
あたし……ヒーローになりたいです。やっと、分かりました。
もう、吹っ切れました。」
そう、にっこり笑って言うことができた。
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すぐる - 50話の「応用が利く」のところが「応用が聞く」になっています。細かくてすいません🥳 (2023年1月12日 0時) (
レス) @page2 id: a8ac25d13a (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴,,, - この作品のおかげでサーを推しはじめた (2022年12月27日 1時) (レス) @page4 id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 轟の成長みたいな感じですか？ 母が言っていたセリフも似ていますよね！ (2022年7月28日 20時) (レス) @page20 id: 279e5ec09b (このIDを非表示/違反報告)
たむたむ - ミリオの個性は通過じゃなくて透過だよ (2021年10月11日 22時) (レス) @page2 id: 124affbb66 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 脱線脱出tomorrow さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いいたします (2019年12月11日 4時) (レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
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