二百七十七話。 ページ28
Aside
「…それで？
君は私に対して、何を望んでいるの？」
もうこれ以上か癖はしないだろうと踏んで認めることにした。
どうせそろそろバレるところだったんだし、まずければ記憶を消してしまえばいい。私には途端に爆豪勝己という人間がわからなくなっていた。
「…行くなっつっても、行くだろ。」
「よくわかってるじゃない。そうね、でも、気づかれるとは思わなかったわ。
どうしてわかったのかしら。」
不思議になって聞いてみた。
彼はよくわかっている。私が止まらないのも彼なりに考えて出た結論なんだろう。
彼の賢さはよくわかっているつもりだったけれど、ここまでだったとは。
「昔、テレビ出てただろ。
あの日、俺はお前よりもできると見せつけてやりたかった。テレビじゃお前の優秀さばっかり流すもんだからな。
お前がやってたことなんて俺にだってできるしそれ以上だってできた。」
「君、そんなに昔からそうだったの。」
「まあな。
それで、気づいた。俺がテレビを見てた日は、書いたノートを見せびらかしてたな。単語を英語に直して頭文字を取ればメッセージになってた。
他も方法を変えて似たような内容のメッセージをつづってた。」
驚いて言葉も出なかった。
子どもが気付くとも思わなかった。両親はテレビを見ない。だから、そのすきを狙ってやったことだった。
誰か、誰か気づいて。
助けてほしいと願いながら、いつもいつも助けを待っていた。ヒーローが一人くらい来てくれないかと。
できればこんな私達を助けてくれないかと。
「世間はお前を助けなかった。
…助けてるつもりだったんだろうな。ヒーローを寄越して、カウンセラーにあわせて、お前の異常を取り除こうとした。俺はお門違いだって思ってたが。
でもある日、お前はいつだって『私達を助けて。』ってメッセージをおくってたのに、弟のことしかかかれなくなった。」
「…よく知ってるね。」
「ずっと、お前を探してたんだ。」
爆豪くんはこちらから目を逸らさない。
ヒーローは結局来なくて、絶望して、私は弟だけは逃したかった。それだけが願いだった。
「助けの声から、お前がいなくなったから。
お前が死んでしまい気がして、ならなくなって、必死に探したけど見つからなくて、やっとだ。
…俺はお前を助けたい。」
かれは、たしかにそう言った。
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ミナミ(プロフ) - yuaさん» ありがとうございます！これからのシリーズもどうぞよろしくお願いいたします！！！ (2022年10月23日 16時) (
レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
yua - コメント失礼します! シリーズ全部読ませてもらいました! 全部面白くて、感動しながら読んでいます。 更新頑張ってください!! (2022年10月22日 15時) (レス) @page50 id: 658ebb7b55 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - Reeさん» ありがとうございます！更新頻度も気まぐれだというのに多くの方々に読んでいただけてうれしいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2022年10月18日 20時) (レス) id: dce04d5ff9 (このIDを非表示/違反報告)
Ree(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませて頂いてます！凄く面白いです。爆豪と相澤先生推しなので更に最高と思いながら♡これからの展開がとても楽しみです。陰ながら応援してます。 (2022年10月17日 19時) (レス) @page47 id: dbef1d39c6 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - にゃんこうどんさん» ありがとうございます！！とても嬉しいです!爆豪くんもかっこいいですよね…人気投票１位なのもなっとくですしギャップ萌えやばいですよね！これからもこの作品をよろしくおねがいします！ (2022年9月19日 14時) (レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
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