二百七十八話。 ページ29
Aside
「…そんなことを言ってきたのは君が初めてなわけじゃないよ。
いつだって私たちの周りにいた大人はそういった。」
あなたたちを救いたいの、あなたたちの世界はもっと素敵なの、あの二人は心からあなたたちを愛しているよ、そんな言葉しか聞いてこなかった。
何も知ろうとしなかったくせに。
「でも…そうね、あなたたちは違うと、思いもする。」
ほんの少しだけ、嘘をつかずにしゃべる。
爆豪くんは私のほうをただ、目をそらさずに見ている。やっぱり、彼はオールマイトだとか、そんなものとは違うんだろう。もしかしたら、私自身信じたいだけかもしれない。
「ごめんね、助けは求めてないの。君は、わかっているだろうけれど。」
「…そうだろうな。」
「君は、敵の私をどうするの？」
そう聞くと、彼は静かに首を振った。
私は訳が分からなくて首をかしげてみせると、先ほどと同じように静かに言った。
「お前は、敵であって、敵じゃねえ。
あの場所で生きるしかなかったんだろ。目の前で親を殺されて、敵の本拠地で生きることを強いられた。保護の必要な子供だ。」
「…どれも私が選んだことだわ。」
「選ばされたんだよ。お前はそう思ってねぇんだろうが。」
選ばされたというならそうかもしれない。
わからないけれど、でも、陽太のためになるのなら嫌なことも進んでやっていたし何なら嫌だとも思わなかった。
あの子のためなら私は何だってやる。
「そういうのを脅迫っていうんだよ。
…お前のことは聞かれたら答える。俺には力がまだねぇから、助けるって言っても通報くらいが関の山、あとはおしゃべり相手か。」
「そうね。」
そうだろう。
それでも彼ならさっさと取って飛んできそうな気さえする。
「それでも、お前をいかせたくねぇ。」
「…ならこうしよう。
君が仮免許を取ったら来てよ。まあ、どうなってるかはわからないけど。でも、そうだね、その時は真剣に考えよう。」
そういった。
嘘になるかどうかなどまだ私にもわからない。
まだ少しだけタイムリミットはあるだろうか。それとももっと彼は気づくのか。
ただ静かに彼は答えた。
「…必ず、行く。」
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ミナミ(プロフ) - yuaさん» ありがとうございます！これからのシリーズもどうぞよろしくお願いいたします！！！ (2022年10月23日 16時) (
レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
yua - コメント失礼します! シリーズ全部読ませてもらいました! 全部面白くて、感動しながら読んでいます。 更新頑張ってください!! (2022年10月22日 15時) (レス) @page50 id: 658ebb7b55 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - Reeさん» ありがとうございます！更新頻度も気まぐれだというのに多くの方々に読んでいただけてうれしいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2022年10月18日 20時) (レス) id: dce04d5ff9 (このIDを非表示/違反報告)
Ree(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませて頂いてます！凄く面白いです。爆豪と相澤先生推しなので更に最高と思いながら♡これからの展開がとても楽しみです。陰ながら応援してます。 (2022年10月17日 19時) (レス) @page47 id: dbef1d39c6 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - にゃんこうどんさん» ありがとうございます！！とても嬉しいです!爆豪くんもかっこいいですよね…人気投票１位なのもなっとくですしギャップ萌えやばいですよね！これからもこの作品をよろしくおねがいします！ (2022年9月19日 14時) (レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
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