二百三話。 ページ4
相澤side
珍しく、と言うか初めてじゃないだろうか。
Aが、あそこまで感情を表に出しているのは。叫んで、クラスメートを叱っている。
時折、どこか一線を引いているようにすら感じた。特にクラスメートとかにはある程度の距離感を保っているかのような。弟のこともあるのだろう。
山岸Aはそういう生徒であると認識していた。
だから、助けに向かったことを俺が言ったとき、驚いたような声を漏らして、堪えきれないように話した姿に驚いた。
話を聞いても笑って流す気すらした。
アイツにとって、クラスメートがそこまで大切な存在なんだとは思わなかった。
アイツの話をざっくり要約すれば、死ぬかもしれないところに向かったなど馬鹿げていて、止められたら止まらなければならなかったし止めていても止まっていなければ引き止められてはいない。
助ける助けない以前の問題。
では、何故アイツはそう考えたのか。
まるで敵の脅威をよく知ったような口ぶりだった。そりゃあ、誘拐された時点で十分驚異は大きい。
だが、オールマイトですらああなってしまうなど、ヒーローでさえ誰も考えてはいなかった。
爆豪など勧誘のために攫われた。そう考えるとアイツは多少なりとも生き残る可能性は考えられた。そうなると、勝手に向かった奴らのほうが危険ということになる。
報道では、敵連合であり前回の侵入者と同じであることも言われている。その脅威は他の奴だってわかっているのだろう。
生きて帰れたから良かった。運が、良かった。
アイツだけがその事実を何万分の１の奇跡のように感じているのに違和感を感じた。
他の奴らは死ぬ可能性すら考えつかなかったのだろう。そんなことはあの状況じゃ容易に想像がつくのだ。
侵入されて誘拐までされたが、誘拐の時点でもその後でも死者はゼロだった。
一般市民に公開されている情報だけを知っているのであれば、あいつの性格から考えてそこまで思い至らないと思った。ヒーロー殺しの一件もある。アレにだって、記事は伏せていてもアイツは気づいていたと俺は思っている。
あれだけ敏いのに、むしろ気づかないとは考えつかない。クラスの一斉メールからも先に遭遇してほぼ討伐されたというのはきっと、感のいいやつなら把握できることだから。
その時は何もなかった。
だから、考えたくなかったことを考えてしまった。内通者の件で考え込んでいるのかもしれない。
とかく、その意見は校長にすら賛成されてしまったのだ。
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猫(プロフ) - 凄く面白いです！！更新されるたびワクワクしていました(*´ ꒳ `*) (2022年1月23日 0時) (
レス) @page14 id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
hgf、jhさいこうでs - 最高です‼️何回も読み直しています！続きが楽しみです。。。ああ、早く夢主ちゃんを救って欲しい。。。 (2022年1月21日 20時) (レス) @page13 id: 9afd2abc65 (このIDを非表示/違反報告)
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