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五話。 ページ7

Aside

 

「…鬼だったのか、お前!!

そんなやつと共にしていたなんて…吐き気がする!!鬼なんか大っ嫌いだ!!」

 
「最低ですね。」

 
「うむ!やはり早急に刑を行うべきだ!!」

 
「同じ息吸いたくないんだけど…。」

 
「…A。
最後にいい残すことはないかい。」

 
半分鬼である私など、こうなって当然。

五年間、人として生きられたことだけで幸せだった。

 
「…鬼の子である私を拾い、人として育ててくださりありがとうございました。

お館様のために今日まで生きられたこと、誠に幸せでありました。
私は、あなたの子であれて幸せでした。

そんな権利などないのに。

附子さんも、私のせいで不快な思いをさせてしまって申し訳ありません。」

 
鬼でありながらお館様の子であることなど、厚かましいにもほどがあったのだ。

本心からの言葉をいい、そして深く頭を下げる。

 
「…何故……そんなことを…。」

 
「…少年。

私はね、お館様に必要とされて初めて人として一抹の価値を得る。

お館様には私は必要ないのであればそれを受け入れる。
元よりお館様にこの命、捧げるつもりでしたから。

どのようなときもお館様、私はあなたの手となり、足となり…血となる。

これまでありがとうございました。

あなた様が望むのであればどのような刑も受け入れる心積りであります。」

 
生まれたときから人でも鬼でもなかった。

私は化け物だ。
生きる価値すらないのだ。

私が死ぬときは、お館様が私を必要としなくなったとき。今がそのとき。

だから、私は死ぬのだ。

 
絶望も悲しみも感じたことはないはずだ。笑って生きてきた。感情を殺した。
お館様のために。

鬼を滅することは何も感じなかった。

寧ろ、私の中の鬼が出てこないか不安だった。いつ目覚めるのかすらわからず、鬼でないようにする。

 
散々揉めあい、宇随さんが私の頸を切ることになったそう。

ごめんなさい、宇随さん。

こんなものの頸など切りたくありませんよね。ごめんなさい。

 
「…生まれてきてすみません。」

 
切られる直前、そう言葉を吐いた。

六話。→←四話。



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アマリス(プロフ) - ハッピーエンドなんて認めない。柱なんて、私の書いた小説のようにバッドエンドになればいいんだよ! (2022年11月22日 12時) (レス) @page44 id: 7d0074fb6d (このIDを非表示/違反報告)
桜井直(なお)(プロフ) - めっちゃ面白かったです! (2022年9月15日 21時) (レス) id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
桜井直(なお)(プロフ) - 悪女ーネタバレになるかもしれませんが自分は悪くないって言ってるけどどうみても100パーわるいでしょ (2022年9月15日 21時) (レス) @page48 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
暁月フウリ - こんにちは、初めまして!一気読みしてしまいました。すごく面白かったです!私、裏切りとか嫌われとか好きなんで、めっちゃ好みです。素晴らしい作品をありがとうございました! (2020年9月5日 22時) (レス) id: 4b7d7100c2 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 孤紅ちゃんさん» コメントありがとうございます!そうですね…やっぱり、ああいうタイプの人は変わらないと思っているので…これからもよろしくお願いします! (2020年7月18日 13時) (レス) id: 5a0bdf4eea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミナミ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月7日 23時

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