生まれてきてすみません。。

一話。 ページ3

Aside

　

目が覚めて色んなことがあった。

色んなこと。
正確に言えば、わたしは今日、斬首の刑に処させれ死ぬ。

目の前には私と同じ日に裁判にかけられた少年。赤い髪。何て言ったっけ。
あんな髪の子のことを。

下らないことを考える。

ごめんなさいね、少年。

私と同じ日に裁判になったせいで柱の方たち、少々荒れてしまっている。

　
それも、しばらくしてお館様が納めた。

　
「…あ、聞いてもいいですか？」

　
「どうしたんだい、炭治郎。」

　
「……あの女性は…これまでに嗅いだことのないくらい、強い絶望と悲しみ…後悔の匂いがします。

あの方も柱なのですか？」

　
「こいつは今日、柱じゃなくなるんだよ！
嫌なことを思い出させんな！」

　
「あの子はね一年近くそこの草柱の莉々菜をいじめ、自害直前にまで追い込んだ。

だから、当然なんだよ。」

　
「…あの方が……？」

　
絶望と悲しみ…後悔の匂い？

後悔は分かる。
ずっと…ずっと、後悔していた。

絶望と悲しみ何て、そんなこと思ってない。申し訳なく思ってるんだ。

こんな私の頸を切らせることになってしまったから。

きっと、気持ち悪いでしょうに。

ごめんなさい、皆様。

ごめんなさい。

　
「お館様。

そろそろ、一刻が経ちます。
刑を行いましょう。」

　
「ああ、そうだねしのぶ。
炭治郎、醜いものを見ることになる。戻りなさい。」

　
今日、私は死ぬ。

お館様。

あなたのお役に立てず、申し訳ありません。

　
あなたに救って貰ったのに。

私はあなたのためになりたかった。手となり、足となり…鬼を滅し、あなたのお側で。
死ぬときもあなたのお側と言うのは大変、光栄です。

　
「…あんな、優しい匂いのするあの方が…そんな酷いことを？」

　
「優しい匂い？
派手にその鼻狂ってんじゃねぇか！？そいつはなぁ！

毎日懲りもせずに附子を派手に日輪刀で切り！傷をつけた！派手に優しいのは附子だ！
斬首ですんだのもな！」

　
優しい、匂い？

そんなわけない。私は優しくなんかない。
私の存在がいけないもの。

私は醜いのよ。

何であなたは、そんな目で私を見るの？

　
「俺、鼻は人よりいいんです。
あなたは…冤罪なのでは？

何もしていない。そうでしょう？」

　
たった一人、私にそう問いかけた。

その少年はこちらをじっと見つめている。罪人の私を。

何故なのか。

理解ができない。

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