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カルテ23 ページ24

「ここまでありがとうございました、後は我々にお任せください。」

緋純先生を見送り、ようやく緊迫した雰囲気が解けた気がした。

香月くん改め麗央くんは寂しそうな表情を浮かべていた。

「桑原先生のこと、信頼してた?。」

「ああ見えてしっかりしてた人だよ、口調は荒いけど、本当にできると思った、復讐。」

本当に寂しそう。

心の支えだったのかな。

「これからどうしようかなぁ…前に戻るつもりないし、自由になったんだよな…。」

…!?

「もう、治療はいいの?」

「んー…龍騎さんいなくなったからいる意味がないって言うか…。」

「あ、そうしたら院長先生のところ行かない?…会いたいし。」

すると麗央くんはえぇ…ともらした。

「怖いし、あの人。合わせる顔ないよ。」

「ほんとのこと聞きたいしさ…ここまで関わっちゃった以上はね、きちんと教えてもらいたいじゃん。」

「…そっか。じゃあ、行こうか。」



「…はぁ、私について、ですか。」

案外、院長は穏やかに応じてくれた。

もとからなんだろう…。

「だいたいは君たちが桑原先生から聞いた通りで間違いはありません。」

本当だったわりには普通の話し方だな…。

「私はそういうことをする研究所を持っていまして。そこの写真を持って警察に自首します。桑原先生なしではできなかったものなので。もうできません。」

……。

「これからは?逮捕されたら病院どうなるの?」

そこだけは言葉を濁した。

「実は考えかねているところです。警察はこれ以上私の経営は許してくれるはずがないので。世代交替…もしくは閉鎖ですね。」

代替わりかぁ…。

「渡坂先生…後取りがいないの?」

あ…。

たぶん、今私と麗央くんが思ってることは同じだ。

麗央くんは私と同じ人を思ってたらしい。

次に院長になる人。



院長室を出て麗央くんの部屋を片づけていた。

「ねぇ、A。」

「ん?」

急に突拍子もないことを言い出した。

「僕さ、Aの学校に転校しようかな。」

「はぁ?」

いや、はぁ?だよ。

急にどうした。

「でも学年違うよ?麗央くん3年生じゃん。それに編入試験が…。」

「別にいいよ。いや…普通の生活に戻るにおいて龍騎さんにいじられたとこも戻しておかなきゃ。だからその…暴走してたら止めて?」

な…。

「何それ、面白い。」

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作品ジャンル:ミステリー, オリジナル作品
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円香(プロフ) - くまの助さん» 読んでいただきありがとうございます! ジャンル、そうですね…アドバイスありがとうございます。 (2018年8月21日 7時) (レス) id: d1740a14bb (このIDを非表示/違反報告)
くまの助(プロフ) - 気がつけば読み終えていました。ジャンルがファンタジーよりミステリーかな?という印象です (2018年8月20日 21時) (レス) id: 20308b11a1 (このIDを非表示/違反報告)
円香(プロフ) - 吐露@菊秦芳は露を吐くさん» ありがとうございます!病院シリーズは初めてなのでよくわからなかったのですが…そう言ってもらえて少し安心しました(笑) (2018年6月9日 20時) (レス) id: d1740a14bb (このIDを非表示/違反報告)
吐露@菊秦芳は露を吐く(プロフ) - なんだかお話の設定やら病院の雰囲気やらがしっかりしていて読みやすかったです!続きを楽しみにしていますね! (2018年6月9日 20時) (レス) id: 07eaa6a5bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:円香 | 作成日時:2018年4月23日 17時

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