カルテ19 ページ20
「何ですか…?」
私は香月くんの病室にいる。
香月くんに連れてこられたんだ。
ここにも1人先生がいた。
私は椅子に座らされ、その先生は…その人は私の後ろに立っている。
「今ごろ香月が藍都のとこに行ってる。オレと香月のことについて話してると思うぜ。」
「何が目的なんです?私みたいな、たかが1週間でここから去る人間をどうしようなんて…あなたがたにメリットが見えませんが?」
後ろ…耳のすぐ後ろから声が聞こえた。
「香月が目をつけた。それ以外にオレが君を狙う理由はないぜ。なぁ、A?」
っ…。
「では、私はここでおとなしくします、ここからは出ません。その代わりあなたと香月くんの本当のことを聞かせてください。」
「その言葉は信用できる?」
「嘘は言いません。」
するとその人は私の正面で座った。
「…いいぜ。まず、オレは桑原 龍騎。ここの精神科医で香月の担当医。藍都と直接は話したことないが脳外科にのくせに精神科のライセンスも持ってるって聞いてな、興味あったんだ。」
興味。
「私のことはどこから…?」
「院長から聞いた。藍都が担当してるやつはいるか、って聞いたらお前の名だったぜ。」
院長先生、か。
「どうしてここに?」
「院長に雇われた。精神科医が足りてねぇって言われたんだ。オレはその時前の病院から籍を外しててな。次の勤務先を探してたとこだった。」
「こんなことしてたんですか、昔から。」
「まぁな。オレが気に入った患者がいたら…だぜ。」
そんなっ…。
「そんなことしちゃいけませんよ…?」
さて…。
「あなたがたの目的はなんですか?」
「オレと香月は知り合いだった。香月が虐待受けてて、助けた。その両親から離れ、“新しい両親”のもとに連れてった。そしたら虐待。オレはここにいるからいつでも来いよって言ってはいたんだ。」
……。
「オレたちの目的は香月の本当の両親への復讐だ。そのために、オレが入院直前の香月をちょっといじったんだよ。」
…狂ってる。
「なら私は関係無い。解放してください。」
「君は香月の精神安定剤。」
物扱いか…。
「それと、1ついい話を教えてやるぜ。オレの患者、立花 香月は本名じゃない。」
…!!
香月くんのイメージが崩れていく。
「本当の名前は河内 麗央。その名前なら藍都も知ってるはずだぜ。香月は、3年前“麗央”で一度入院してた。」
3年前…緋純先生が精神科にいたとき…。
…どんどんわからなくなってくる…。
その時。
「A。」
…!!
「緋純先生…!!」
「あんたが緋純 藍都。はじめましてだな、桑原 龍騎だ。」
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円香(プロフ) - くまの助さん» 読んでいただきありがとうございます! ジャンル、そうですね…アドバイスありがとうございます。 (2018年8月21日 7時) (レス) id: d1740a14bb (このIDを非表示/違反報告)
くまの助(プロフ) - 気がつけば読み終えていました。ジャンルがファンタジーよりミステリーかな?という印象です (2018年8月20日 21時) (レス) id: 20308b11a1 (このIDを非表示/違反報告)
円香(プロフ) - 吐露@菊秦芳は露を吐くさん» ありがとうございます!病院シリーズは初めてなのでよくわからなかったのですが…そう言ってもらえて少し安心しました(笑) (2018年6月9日 20時) (レス) id: d1740a14bb (このIDを非表示/違反報告)
吐露@菊秦芳は露を吐く(プロフ) - なんだかお話の設定やら病院の雰囲気やらがしっかりしていて読みやすかったです!続きを楽しみにしていますね! (2018年6月9日 20時) (レス) id: 07eaa6a5bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:円香 | 作成日時:2018年4月23日 17時