夕方ホワイトデー -fw- ページ8
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「ふわっち、途中まで一緒に帰ろ」
『ん、ええよ〜。ちょっと待ってな〜?』
3年生になった途端、関西弁と色気が増し増しになった気がしなくもないふわっちと一緒に帰る。
『おっけー、んじゃ帰ろか』
「なんか最近大人っぽくなった?」
『そう?変わらんと思うけどなぁ。それ、実は見る目変わったとかじゃないの〜?』
ニヤニヤ言う所は変わらずふわっちで安心した。
『そういえば、今日ホワイトデーじゃん?』
「うん、そうだね」
『本命チョコ、くれたじゃん?』
「勝手にふわっちが言っただけだけどね」
『俺、持ってきました。プレゼント』
「え?!」
「はは〜笑 そんなびっくりする?はいこれ」
『ブレスレット?!』
「ごめん、これしか思いつかんくて。でもAちゃんの事考えて選んだから、思いは込めてるよ?」
いやいやいや!豪華すぎるよこれは!
『チョコあげてこれが返ってくるとは誰も思わないて!』
「え?笑 ダメやった?」
『ダメじゃないし嬉しいけど申し訳ないよ!』
「受け取ってくれないの?俺さみしい…。」
『…あざとくもなったなぁふわっち!ありがたく頂戴しますよ』
「やったー♪ その場でつけん?見てみたい」
ブレスレットを取り私の手首にスッと付ける手際の良さ。
慣れてるなぁ〜…
「俺よく自分で付けてるからこういうの慣れてんだよね。だからって別に女の子に付け慣れてるわけじゃないぞ?」
『なんで分かるの?!』
「そんな顔してたやん笑 バレバレよ」
ふわっちの前では隠せないらしい。
「お、似合うねぇ〜!この色にして良かった。Aちゃんぽくていい」
愛おしそうにブレスレットを触るふわっちに少し緊張が走る。これ以上そんな雰囲気だとそわそわしてしまう。
「本命だよって言ったら信じてくれる?」
『…どうだろう』
「やっぱ信じてくれないか、」
諦めた口調で寂しそうに笑う。少し私も心がグッと堪えた。信じたら終わりな気がして中々信じきれない。
「そのブレスレット気に入ってくれると嬉しいな」
『ありがと、大切にします』
「うん」
『…じゃ、道こっちなので。ばいばい』
「うんっ、気を付けて帰ってね」
少しぎこちない空気で去る。この帰り道が離れた距離ほど心の距離も離れていきそうな気がした。
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作者名:白い月 | 作成日時:2023年2月16日 2時