ブルーホワイトデー -kne- ページ7
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賑やかなバレンタインデーも終わり、ホワイトデー当日になった。
実はかなかなと作ったチョコ、本人にあげたかったけど甘いの苦手な事は分かっていたので結局自分で食べてしまった。
なんて臆病なんだ私は…。
「お、いたいた。Aちゃん」
『わぁっ!びっくりした!』
「僕そんなおばけみたいに足音無かった?」
違う違う、考えていた人物が目の前に現れたからだよ!
…とは言えずに肩をなでおろす。
「問題です」
『え、急に?』
「バレンタインデーに貰えなかった男子は次の内、何をして気持ちを伝えるでしょうか。1番、今日のホワイトデーにチョコを渡す。2番、デートに誘って告白する。3番何もせず好きな子を見逃して後悔する。」
『え、えぇ〜…』
「答えは全部でした〜。というわけで、僕とデートしない?」
『答えさせてくれないの鬼畜だし私とデートですか?』
「嫌だ?」
『…それって、もう、告白みたいなものでは…』
「どうせなら素敵な所に連れていきたくて。僕にとっては特別な場所」
と言って場所を聞いてみたら前から気になっていた所だったので思わず頷いてしまい、そして今その場所に着いた。
『うわぁ〜!キレー!』
「でしょ?お気に入りなんだ、ここ」
あたり一面水色のお花畑と青と白のイルミネーションツリーがあった。
「はい、ホワイトデー。チョコじゃないけど」
『…マフラーだ』
「可愛い色だよね、今の場所にピッタリ」
そうしてかなかなは私の首元にマフラーを巻いてくれた。
「…うん、似合う。かわいい、Aちゃん」
私はドキドキしながら次の言葉を待つ。
「…じゃ、帰ろっか」
『……あ、うん。…』
「なに?告白されると思って期待しちゃった?うっそぴょーん、しませんよ」
『え』
この人悪魔?!と思ったら、
「おいでお姫様」
私の手を取り、自分の方へと手を引いた。
「卒業するまで待っててほしい」
卒業、まで?
「これはお願いと約束。僕の戒め」
『…うん、?分かった』
かなかなの本音は聞けないまま、2人で手を繋いで帰っていく。
これを伝えたかなかなの顔が少し寂しそうで辛そうだったのは気のせいだろうか。
帰りのバス、私はかなかなの隣でうたた寝をした。かなかながあの綺麗なツリーの下で告白してくれる、声が鮮明に聞こえた夢を見た気がした。
「君のこと大好きでごめんね」
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作者名:白い月 | 作成日時:2023年2月16日 2時