njsj学校の日常３ (ページ6)

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ほかほかホワイトデー -wtri- ページ6

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「せんぱーい！ハッピーホワイトデー！」

ワフワフしながら駆け寄ってくる犬のように渡会くんが走ってきた。

『声デカ笑ハッピーホワイトデー！ってあんまり聞いたことないし笑』

「いいんすよいいんすよそんなことは！せんぱい？驚かないでくださいね？」

『ん？』

「っじゃあーん！作ってきたよ！チョコ！」

『えー！美味しそう！くれるの？』

「あげる！バレンタインデーにもあげたんだけどね笑」

『そうだよ、くれたのに』

手作りチョコを貰う時に少し手が触れた。

「うわっせんぱい？！」

『ん？なに？』

「手ぇ冷たいよ？！大丈夫そ？！」

『あ〜、私冷え性でこの時期いつもこうなんだよね笑』

渡会くんは何を思ったのかピコン！と閃いた顔をして、

「せんぱい、手かして」

ぎゅっと私の手を握った。

「俺がぎゅ〜ってしてあげる！そしたらあったまるっしょ！」

『え、い、いいよいいよ！まって、恥ずかし…』

「だめだぞ、女の子は比較的冷えで体調壊すんだよ？」

少しムスッとした顔をして言葉の通りぎゅ〜っと両手を握られ続ける、優しい力で。

「どうせなら手袋プレゼントしとけばせんぱいの為になったなー」

『そこまでいいよ笑今の状況で十分です』

違う意味で暑くなってきたかもしれない。少し顔をうつむける。

「…ふはっ笑せんぱい、耳赤いっすよ〜？」

『恥ずかしいもんだって』

「3年生になってもそこは変わらないんだねせんぱい」

『何も変わってないよ、学年が上がっただけだよ笑』

「もっとあっためましょーか？はい！せんぱい！ダイブ！」

『へ？』

渡会くんは手を離し、両腕を横に広げて笑顔で私を待っている。いやいやいや、それは流石にダメじゃ…？

「ほら！気にせず！ドーンと！」

凄いワクワク顔で待たれたら…行くしかないじゃん！！

トンッ

「うおっ！ほんとにきたー！やったー！」

ぎゅっ！と背の高い男の子に優しく抱きしめられた。

「まさかほんとに来てくれるとは思わなくてびっくりした！」

ずーっと頭上で話すその声がなんとも心地よく感じた。

渡会くんは私の顔を見つめ、これまた優しい笑顔で言う。

「ね？あったまったでしょ？」

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