熱冷めやらぬ独占欲?-fw- ページ46
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「足、もう大丈夫?」
『うん、まだちょっと違和感あるけど歩けはするよ』
「そっか、良かった」
『ありがとう、最後まで見送ってくれて』
「俺が送りたかっただけだから」
ふわっちが帰りの最後の最後まで手を繋いで歩くのを手伝ってくれた。
案外私からしたら背が高いふわっち、隣で歩くとちゃんと男子でいつものようにおちゃらけた雰囲気とは違ってドキドキした。紳士的な対応は相も変わらず。
「一部始終を見てたからさ〜、びっくりしちゃったよほんと」
『その後のことあんまり覚えてないけどね笑』
「それがやばいんだって!記憶失っちゃったら元も子もないじゃん!でも良かったよ、奏斗がすぐ助けてくれてて」
『ほんとにありがたい、優しい後輩だよ……それでさ、ふわっち』
「ん?どした?」
『いつまで手を繋ぐのかなっ…て』
「ダメだった?」
いやぁ…ダメじゃないけどさ…
『もう家着いちゃうよ私』
すると繋いだ手から少しキュッと力が込められた。
「…あの時すぐ助けられてたら奏斗じゃなくて俺が〜…ごめん、何でもない」
『…んー?』
俯いたふわっちの顔を覗くと困惑しているようだった。
「…悪いこと考えちゃったかも、俺」
『ふふ笑 そっか。…でも聞いてよふわっち』
「?」
『声だけは聞こえたんだよね、みんなが慌ててる声が。もちろん近くに居たのは奏斗君だったけど、奏斗君の近くにいた心配性の声がすっごい聞こえたんだよね〜』
ふわっちが顔を上げてこちらを見る。
『誰だと思う?当ててみて』
「……俺じゃん。」
『ぴんぽーん!せいかーい』
「なんで、ねぇなんでなんで。なんで分かったの」
『そりゃあねぇ?別クラスなのにいつも話しかけに来てくれるふわっちの声を忘れるわけないよ』
と最後まで言う前にふわっちがガバッと私に抱きついた。
「俺無駄じゃなかったんだ!うわぁ〜…嬉し!!」
その嬉しさが抱き締める力にまで伝わってくる。あれ、なんかドキドキしてきたかも。
「なんか報われた気がする、謎に俺が。ごめんね、ついぎゅーしちゃった」
『う、ううん、』
「もうちょっとこうしてくれる?」
『え、あ、うん』
「…はぁー、充電MAX!おかげで癒された、ありがとう。帰り気をつけて、ね」
離れ難い顔をしながら手を振る。それに気付いたのか分からないけど最後に笑顔で手を振ってくれた。
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ただ心配で -furknt-→←姫、お手をどうぞ -kzh-
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作者名:白い月 | 作成日時:2023年2月16日 2時