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体育祭5種目め -男女混合リレー- ページ43

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「リレーきたぁ!!せんぱいも一緒だもんね!」



『緊張してきた…』



チームの振り分けは陸上の顧問である早瀬走先生が独断と偏見と欲望で振り分けられた。なんと偶然にも渡会君、セラフ君、私、奏斗くんの順番でバトンが渡る流れになった。



「Aちゃんならいけるでしょ!」



「ちゃんとバトン持ってくださいよ?A先輩」



『も、もちろん!任せてよ!』



「不安だなぁ笑」



「いいなぁ〜!僕もAちゃんに渡したいってー!」



「いーじゃんか、奏斗はもらう側だし!」



「確かに、僕の方が得ではあるか」



「まあまあ。君たち足速いんだし、勝たないと」



「「あったりめぇよ!」」



かなひばはいつもハモってて微笑ましい。仲良いなあ笑



そしてついにスタートの合図が鳴った。次々とバトンは渡されていく。

気持ちよさそうに風を受けながら走る渡会君。少しずつ他のチームとの距離も縮まっていく。



「セラお!パス!」



「さんきゅー」



走り出した瞬間、雰囲気が変わり、とんでもない速さで他のチームをどんどん抜かしていく。走る練習は見たこと無かったので綺麗なフォームすぎて見惚れてしまいそうなぐらいだった。

そして私のところまで走ってくる。少しドキドキする。



『セラフくん!こっち!』



「…………先輩!!」



周りから応援が聞こえる。セラフ君から受け取ったバトンを力を込めて握りながら奏斗君のもとへ走り出す。



「せんぱあああああい!!いけーーーーー!!」



「はぁっ、はぁっ、先輩がんばれ!!!!」



遠くから渡会君もセラフ君も応援してくれてる。ここはミスせず行かなきゃ、



『わっ!!』



隣の女子が近付いてきて体当たりしてきた。まずい、足を捻ってしまった。このままじゃ遅れちゃう。



「っ、あいつ!、」



「ひば、待って」



もう少し、あともう少しで渡せる。だから我慢っ…



「A!!」



前を向くと心配そうな顔をした奏斗君がいる。でも、



「大丈夫!俺が優勝導くから!!」



『……ありがとう!!パス!!』



「よく頑張った!!行ってくる!」



バトンをもらった奏斗君の背中がいつもより大きく見えて、眩しい笑顔で、すごいかっこよかった。そこからの記憶は意識が朦朧としていてほぼ無くなってしまった。遠くでガッツポーズをしながら喜ぶみんなを見ながら。





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作者名:白い月 | 作成日時:2023年2月16日 2時

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