検索窓
今日:22 hit、昨日:1 hit、合計:27,551 hit

歩幅と感情 -kzh- ページ13

.





『葛葉さぁ』



「んー?」



『好きな子できた?』



葛葉が咳き込む。え、そんな驚くことだったかな…笑



「急に何!?やめてそんなこと言うの」



照れてるのかズンズン前を歩いていく葛葉。

そういう所は変わってないよなぁー。

大人っぽくなった彼の後ろ姿を眺める。



『クラスも離れて最近全然見かけない間に雰囲気変わったなぁーと思って』



「それでその発想になるお前が変わってるよ」



はぁー、まじビビったわ。と呆れたような顔をしてまた歩く歩幅を合わせてくれる。こういう所は紳士的になったなと思う。



『焦ったってことはもう前から好きな子いたりしてね』「いねーよ」『はや、即答じゃん』



「そーゆーお前はいんのかよ、好きな奴」



『え?気になっちゃう〜?』



「いや別に、流れで聞いただけだし」



『知りたい?ねぇ、知りたい?』



「うっぜ、もういいわ」



『私よりも葛葉の好きな人が気になるなぁー』



「いねーって」



『いるでしょ!だってかっこよくなったもん!』



「え?」



『あっ、』



言っちゃった。ストレートなこと言ったら嫌な顔されるし謙遜されるから隠してたのに。

葛葉は私から顔を背けてまた歩幅が遠くなった。



『あれ、葛葉くん、照れてません?あれ〜?』



「お前まじで良くないぞほんっとに!」



指差しされながら怒られたけど微塵も怖くない。赤面してる葛葉が目の前にいるから笑



『んで?どうなの?実際は』



「…好きな人、ねー…」



急に真面目な顔して考え込む葛葉を見ていたら目が合う。



「お前」



『へっ?』



私、??



「…なーんて。教えるかばーか」



『ちょっと!からかわないでよ!』



ほんっと、そういう所がずるいよ。

その気にさせるような言葉を言うなっ!



『もういい!自力で見つけてやる〜っ』



「むりむり、絶対見つかんないぞ〜」



私は葛葉を置いて前を歩いた。後ろからボソッと何かが聞こえたのを無視して。





「…お前に伝えるなんて100年はえーよ」





.

雨の日の限定 -lrn-→←寝ぼけ眼 -akn-



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
150人がお気に入り
設定タグ:2j3j , njsj , VTuber
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:白い月 | 作成日時:2023年2月16日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。