鬼龍と末っ子 ページ10
Your side
ぷちっ
「あっ！」
いつものように音楽室でピアノを弾いていると急にボタンがちぎれた。
「あーあー…このカーディガンお気に入りなのに…」
ボタン付けなんて女子力の高いこと出来ないよ!!
「あ、そうだ!!」
ーー
まだ放課後になったばかりだしそんなに人いないよね…？
「大将〜…」
紅郎「ん？嬢ちゃんじゃねぇか」
空手部の部室の扉を開けると予想通り大将がいた。
紅郎「こんな所まで来るなんて珍しいな」
「カーディガンのボタン取れちゃったの」
紅郎「どれ、みせてみろ」
「お願いします」
大将にカーディガンを渡すと神業的速さでボタンをぬいつけてくれた。
「ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！」
紅郎「ほらよ」
「大将すごーい!!!!」
紅郎「これくらい朝飯前だ」
「えへへ、ありがとう!!」
大将に飛びつくとそのまま抱き上げてくれる。
「あーあー、大将がお兄ちゃんだったら良かったのに」
紅郎「朔間も嬢ちゃんのこと大事にしてる良い兄貴じゃねぇか」
「兄者もにに者もいざと言う時護ってくれないもん。大将なら絶対護ってくれそうなのに」
やべ、重たいこと言っちゃった
紅郎「…ま、俺は嬢ちゃんみたいな妹なら大歓迎だぜ？」
「本当…？じゃあ、じゃあさ！
おにぃって呼んでもいい…？」
大将は一瞬キョトンとした顔をした後、優しく微笑んだ。
紅郎「ああ、いいぞ」
「わぁい！！おにぃ大好き！！」
紅郎「俺も好きだぜ」
大将…おにぃは私を抱きしめたまま頭を撫でてくれた。
(おにぃ…か。嬢ちゃんがそれを望んでんならそれに応えてやるか)
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たんぽぽ - 面白かったです！ (5月7日 15時) (
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作者名：杏 | 作成日時：2023年1月3日 19時
