# Broken Love (ページ2)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:7,577 hit

2 ページ2

.

結局、私の居場所を位置づけることは出来ないまま

自分のクラスに到着した。

勝「A～～」

「わっ、勝利？」

嬉しそうに後ろから抱きついてくる、

いつも通りの朝。

「もう、離して」

勝「…えぇ、冷たい」

しょんぼりとして上目遣いで私を見つめる彼は、

私がこの顔に弱いのを知っている。

「勝利も一応アイドルなんだから、」

「自覚持ってよね」

なんでマネージャーでもない私が、

こんなこと言わなければならないのか。

健人だったら絶対こんなことしない。

喉まででかかった言葉を急いで戻した。

頬を膨らませて私を見つめる勝利が

かわいくてつい許してしまいそうになる。

「…かわいくてもだめ、」

勝利の膨らんだほっぺたを潰して

勝利を置いて教室に入った。

勝利は家が近くて、幼い頃から仲がいい。

いわゆる幼馴染だ。

健人を紹介してくれたのも勝利だ。

健人と勝利は同じアイドルグループらしく、

よく勝利から健人の話は聞かされていた。

でも実際会った時の健人は

話で聞くよりもかっこよくて、優しくて

私が恋に落ちるのに時間はかからなかった。

「はぁ、……」

でも絶対、この恋は叶わない。

わかってる。こんなのはただの一時的なもので、

彼のあの子への恋心が消えれば私は用済み。

…でもそれで、健人の苦しみがなくなるなら、

「……まあ、いっか。」

なんて思っちゃう。

私ってつくづく単純な女。

勝「なにがまあいいのー？」

いつのまにか私の机に顎を置いて、

上目遣いでこちらを見つめる勝利。

「…なんでもなーい、」

勝「えー秘密？」

「そう、秘密」

不貞腐れていじける勝利。

そんな時丁度よくチャイムが鳴る。

「ほら、席戻って」

まだ不貞腐れたままの勝利を強制的に席に戻す。

…ていっても、私の斜め後ろなんだけど。

勝利からの強い視線を浴びながら、

私は窓の外を見つめた。