最終手段。【稲荷崎】

Last resort ・・・６ ページ8

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『(……暑、溶けるわ。)』


今日は珍しく午前中で部活が終わった。

片付けやらなんやら仕事を全部やって外に出ると、

異常なほどの暑い日の光が照らしてくる。



今日はバスかなぁ、って思いながら

イヤフォンを付けてフラフラとバス停へ向かう。


『やっと着いた。』


学校前のバス停の筈なのに

暑すぎてすごく遠く感じた。


屋根の下で涼みながら片耳イヤフォン。


好きな音楽を垂れ流しなて聴きながら

さっきの会話を思い出してる。




北上 ｢はいっ！私、角名先輩の事が好きなんです！｣

北上 ｢角名先輩、この前……。｣

北上 ｢私、今度告白しようと思うんです！｣

北上 ｢もう好きが止まらなさすぎて……。｣


終始顔を赤く染めながら言ってる深雪ちゃんは

恋する乙女女子高校生にしか見えない。

あ、実際恋する乙女女子高校生なのか。



あそこまで好きを堂々と言える人って凄いよなぁ。


自信に満ち溢れてるって言うか、

まぁ、べっぴんさんやしね、

あの自信どこから来るか平凡な私には分からんわ。


でも、角名かぁ……。

角名、、


うーん、私角名と話すことあんまりないしなぁ。

よくわかんないって言うか、

まぁ関係ないし良いんだけど。


考えるのをやめた私はただボーッと音楽を聞く。

あー、この人の声好きだなぁとか、

歌詞の意味が深くて泣けるわ。

とか、だから……



｢あれ、Aじゃん。｣


後ろから誰かが来てたことにも気づかなかった。



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