青春うえすと。 (ページ1)

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季節的には夏。S,Daiki ページ1

「夏休み終わってもうたなぁ……。」

むにゅ、と自分のほっぺを触りながら、隣の席に座るシゲが呟いた。

「せやなぁ。」

周りの友達は彼氏彼女でお祭りやら、海やら、夢の国やら。

そんな人たちを羨ましいとは思いながらも、私に同じような事ができるわけでもなく。

仲良い友達と何回か遊んだだけの、夏休み。

正直、重岡さんとそんな事なんて妄想してましたけどっ。

気持ち悪いかもしれませんけどっ。

やっぱり頭ん中の話は頭ん中の話で。

見事に終わった夏休みは、さっきの彼の一言で改めて実感する事に。

「どっか出かけたん？」

「部活のやつらとちょっと遊んだくらいやったなぁ。Aは？」

「あたしも友達と遊んだくらいや。」

「周りはみんな海とか行ってたからなぁ。行けばよかったなぁ。」

しくったわ、なんて笑窪を作って笑う彼に、ドキンと胸がはねる。

「なに、サッカー部のみんなで？男臭っ。」

「ちゃうわ！なんでやねん！そんなむさ苦しい。」

あれ、部活の友達じゃないの？

ちょっと待ってくれ。
これは割と失恋かもしれない。

「え、海一緒に行くような女子いるん……？」

「え、なに、お前一緒に行ってくれへんの？」

「はっ………？」

「え、なんや、はっず！俺！」

「い、いや……！そ、そういうのは好きな子とかに言うもんなんやで！そ、そんなからかわんといて！」

「からかってへんけど…？なんなら、夏休みからずっと誘いたくてウズウズしてましたけど！」

「……へ…。」

「今週の土曜、部活オフやねん。まだ、季節的には夏やんな。

海行かへん……って間に合う？」

いきなり顔を真っ赤にさせたシゲにつられて、私の体温も上昇する。

「間に………合う……よ。」

よかった、なんて、彼はまた笑った。