五十五輪目 ページ13
敦side
Aちゃんが緊急治療室に入ってから一時間程経過した
僕は唯、下を向いて祈ることしか出来なかった
急に治療中の赤いランプが消え、お医者さんが出てきた
「Aちゃんはっ!」
お医者さんは目を瞑り、ゆっくり首を横に振った
それはつまり……『Aちゃんの死』を意味するものだった
「そんな……」
お医者さんは「ご説明しますので此方に」と、前を歩いて行った
僕もふらふらとした足取りでついて行った
その後、ある一室に入り彼女の倒れた原因などの説明を受けた
でも、まるで拒絶反応を起こしているみたいに耳に全く入ってこなかった
『彼女が死んだ』
その事が、僕にとって大きすぎる絶望を招き入れた
話がやっと終わって部屋から出ようとした時に、気にかけてくれたのか
彼女のことをまとめた資料を手渡ししてくれた
気持ちが落ち着いたら読もう
そう思って書類を見ようとすると、ポケットに何かが入っているのが見えた
血が染み込んでいる、彼女の手袋だった
病室の前にある椅子に一人座って泣いた
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かなう(プロフ) - コメントありがとうございます。完結させてから随分経っているのにも関わらずにこうして味わって読んでくださってとても嬉しいかぎりです。これからも砂漠のうさぎさんのように思ってもらえるような作品を書くために精進したいと思います。 (2019年12月12日 22時) (レス) id: ecc405bdc3 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠のうさぎ(プロフ) - また、読み進めるごとに作者さまの表現力も上がっていて、より世界観に浸ることができました。素敵な作品をありがとうございました。長文、乱文失礼しました。 (2019年12月8日 22時) (レス) id: ad3e66ea3f (このIDを非表示/違反報告)
砂漠のうさぎ(プロフ) - 完結からかなり経った作品のようでしたが読ませて頂きました。花言葉をモチーフにしたお話はベタではありますが、聞き慣れないダイヤモンドリリーという花を選んだ着眼点が好きです。お話の雰囲気も切なすぎず甘すぎずで、丁度良い温度で進む物語だなと感じました (2019年12月8日 22時) (レス) id: ad3e66ea3f (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - かなうさん» そうですね(*´ー`*)調べてみたいと思います笑 (2018年9月23日 23時) (レス) id: 3a874cc5aa (このIDを非表示/違反報告)
かなう(プロフ) - 紅茶さん» それと、紅茶さんや紅茶さんの大切な人の誕生日花を調べてみたりとか、花言葉と触れ合ってみるのも新しい魅力を感じられるのではないでしょうか。 (2018年9月23日 22時) (レス) id: ecc405bdc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなう | 作成日時:2018年2月9日 21時