検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:3,818 hit

五十四輪目 ページ12

敦side







「さようなら」






厚く重なっていた雲から静かに月が出てきた


僕をしっかり見つめて悲しそうにAちゃんは笑っていた


しかも口の周りには、血がべっとりとついている





「A……ちゃん………?」


声を出す。でも、大きな動揺もあってその声は震えている






そして間も無く、Aちゃんはふらりと倒れた






足に力が入らなくなり膝をつく



「女性が倒れたぞ!」


誰かの声でようやくAちゃんが倒れたということを認識させられた



フラつきながらも、懸命にAちゃんに歩み寄る




苦しそうに血を吐き出している



もしかして……さっきの咳も全部吐血で、僕に隠してた?



僕は何も気付いてあげれなかった?





まだ、間に合うと手を握る





その手はいつもよりも冷たくて、嫌な結末が浮かんできてしまう



それでも……そんな結末なんてさせまいと強く手を握る





お願い……




「大丈夫ですか?」


周りの人が呼んでくれたのか、救急隊員が肩を叩く


Aちゃんが近くに止まっている救急車に運ばれて行く



「誰か、付添いの方は居ませんか!?」



目元を擦って涙をふく




「はい!僕が行きます」




お願いだから……間に合えっ

五十五輪目→←五十三輪目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 中島敦   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かなう(プロフ) - コメントありがとうございます。完結させてから随分経っているのにも関わらずにこうして味わって読んでくださってとても嬉しいかぎりです。これからも砂漠のうさぎさんのように思ってもらえるような作品を書くために精進したいと思います。 (2019年12月12日 22時) (レス) id: ecc405bdc3 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠のうさぎ(プロフ) - また、読み進めるごとに作者さまの表現力も上がっていて、より世界観に浸ることができました。素敵な作品をありがとうございました。長文、乱文失礼しました。 (2019年12月8日 22時) (レス) id: ad3e66ea3f (このIDを非表示/違反報告)
砂漠のうさぎ(プロフ) - 完結からかなり経った作品のようでしたが読ませて頂きました。花言葉をモチーフにしたお話はベタではありますが、聞き慣れないダイヤモンドリリーという花を選んだ着眼点が好きです。お話の雰囲気も切なすぎず甘すぎずで、丁度良い温度で進む物語だなと感じました (2019年12月8日 22時) (レス) id: ad3e66ea3f (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - かなうさん» そうですね(*´ー`*)調べてみたいと思います笑 (2018年9月23日 23時) (レス) id: 3a874cc5aa (このIDを非表示/違反報告)
かなう(プロフ) - 紅茶さん» それと、紅茶さんや紅茶さんの大切な人の誕生日花を調べてみたりとか、花言葉と触れ合ってみるのも新しい魅力を感じられるのではないでしょうか。 (2018年9月23日 22時) (レス) id: ecc405bdc3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かなう | 作成日時:2018年2月9日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。