ダイヤモンドリリーの咲く頃に [文豪ストレイドッグス] [中島敦]

四十輪目 ページ44

敦side
「待てっ！」


狭い路地裏を必死に駆け回る。しかし、犯人に上手く撒かれてしまった


其処へ、わかれていた谷崎さんが合流する


「敦くん、犯人は彼処だッ！」


谷崎さんが指を指した先には、大きな病院が建っていた


犯人はさっき刃物を持っていた。患者さんが襲われたりしたら抵抗もできないので危険だ


僕たちは急いで病院へ向かって走った


自動ドアを通った瞬間に、看護婦のものだと思われる悲鳴が聞こえてきた


「ちっ近づくなっ！来てみろっ！此奴を殺しちまうぞ！」


其処に着くと犯人がAちゃん！？を人質にとってナイフを首につけていた


首からはゆっくりと血が流れていて、痛々しい


「Aちゃん！」 「Aさン！？異能力、細雪 ボソッ」


「確保っ！」 「なっ！？何処から！？」


即座に谷崎さんが細雪を発動させて、犯人が驚いている間に取り押さえた


「皆さんお騒がせしました。犯人は捕まえましたので」


周りで様子を見ていた患者さんに一声かけてから、Aちゃんの様子を目で確認する


若干咳こんでいるけど、大きな怪我などは無さそうだ


本当は側に居たいけど任務中だから、捕らえた犯人を警察署に連れて行く


「……………Aちゃん、何で病院なんかに居たんだろう」

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