比べられっ子【2j3j】 (ページ8)

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遠くで鳴る鐘の音ページ8

Aside
ゴーン………………ゴー…………………ゴーン

あぁ、鐘の音が聞こえる。

とても遠くでなる鐘の音。

誰だ鳴らしているのかも分からない鐘の音を私だけか永遠に聞いている。

違う、聞いていると言う発言は間違いだ。

私にだけ聞こえているの方が正しい。

ロウ達にその事を前に話した。

だが返ってきた答えは何時も私を馬鹿にした様な答えだった。

その質問を初めてした時に確信した。

この鐘の音は私にしか聞こえないんだと。

毎日聞こえる事は無く年に3度ほどしか聞こえないこの音はだんだん近付いて来ている様に感じる。

だがまだ途切れ途切れでよくは聞こえない。

そこには何時も1人の男の人が居る。

洋服も肌も髪の色さえも真っ白な男の人が何時も涙を流している。

『また、泣いているの？』

その人は何も言わず私の方を見る。

？？「…………………」ｽｯ

するとその人はある方向に指を指した。

その方向は鐘の音が聞こえる方向だった。

それがなんの意図で指を指したか、なぜ泣いているのはは分からなかった。

ただ、何となく申し訳ない気持ちになった。

『…………………ハンカチあげる、涙拭きなよ。私はもう行くからさ』

目の前に現れた大きな扉。

ハンカチを半ば強引に渡して扉をくぐろうとしたその時、凄い力で後ろに引っ張られた。

『うわっ……………もう、何？』

引っ張られた方を見る。

その人が私の手を引いていた。

？？「………………………で」

『え？何？』

もう一度その言葉を聞こうとしたその時、私の意識は元の世界に強制的に戻された。

？？「もう、そっちの世界に行かないで」