比べられっ子【2j3j】 (ページ36)

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来客ページ36

Aside
？？《主人、来客だ
『アサシン？来客って……………？』

普段は自分から出て来ないアサシンがそう教えてくれた。

来客の意味が分からないまま扉の方を見る。

そこにはセラフ先輩がたっていた。

セラフ「……………入ってもいいですか？」

か細い声でセラフ先輩は呟いた。

『ど、どうぞ』

本社の会議室、その扉をゆっくりと開けるセラフ先輩の顔は暗く、何処か悲しそうな顔をしていた。

『ご挨拶に行けなくて申し訳ありませんでした。この度、にじさんじに入りました、Aと申します。よろしくお願い致しま』

頭を下げようとした瞬間、凄い勢いでセラフ先輩に肩を掴まれた。

『あ、えっと……、どの様なご要件で？』

私が反応に困っているとセラフ先輩は1つの茶封筒を私に差し出した。

『えぇっと…………中身を見ても？』

その問いにセラフ先輩は静かに頷いた。

『お立ちになるのもあれなので良ければお座り下さい』

何も言わずに動かないセラフ先輩を半ば強引に近くの椅子に座らせ、私もその近くに腰掛けた。

セラフ先輩を横目で見ながら私は茶封筒の留め具を外し、中身を確認した。

『！……………なぜ貴方がこれを！？』

そこにあったのは私を調べあげられた書類と三枚の写真。

正直そこに居るのが怖かった。

この人に知られた？

けれど何故調べられた？

なんで、どうして？

そう考えているとセラフ先輩が口を開けた。

セラフ「それ、雲雀が調べてって言ってたんだ。だから凪ちゃ…………四季凪が調べて俺に渡しに行く様に頼んだんだ。俺も興味本位で中身みて、それで……」

この人は今どう思っているの？

悪意がある？それとも罪悪感？

どちらにしてもこの人は知ってしまったんだ。

私が“渡会”の人間だって。

『………………何の為に此処に？貴方にそんな事する意味無いでしょう？』

何故この人はここに来たのか、それが謎で仕方ない。

セラフ「……………助けたかったんだ」

その時思ってしまった。

この人は善人を装う“悪人”なのではないかと。