【歌い手】歌わないのか【男主】2

. 70「歌わないのか」 ページ31

.







「まふくんのチケット当たっちゃった！」

「え、いーなー！」

「そらるさんの缶バッチじゃん！！」

「そういえばさ、浦島坂田船が…」



外は今日もうるさい。



「おはようございまーす」


『おはよ、田中さん。あっちにある本お願いね』


「了解しました！」



俺はぐんと背が伸び…た訳じゃないけど、
それなりに成長した。

白木先生には何も変わってないって言われたけどね。


でも、思ったよりすんなり人生は進んで、俺は今大学を卒業し小さな本屋さんの店長として働いている。


もちろん、真面目にね。


「若葉さん、おはようございますっ」

「Aくーん！」



この歳になってもまだ女の子にはモテて。


『どーも。今日も本買ってくれるの？ありがとっ』


俺は散々にぶりっ子を使いこなしてる。


で、高校の頃の友達は、自分のやりたいように夢を追いかけてる。らしい。

あ、もう叶えたのかもしれない。



俺も俺でのんびりと暮らしてる。



「Aくん、かっこいいよね。ねぇ、この後カラオケ行かない…？」


『…え、』



アイツらとは高校生以来会ってないけど。



『ごめんね、俺、音痴だから歌は








“歌わない”んだ』









end



.





ここまでお読みいただきありがとうございます。

これでお終いですが、おまけ話を2話ほど書こうと思っています。

もう少しお付き合いくださると嬉しいです(*^^*)



評価お願いします↓↓↓

. 番外編「配信中」→←. 69「ありがとう」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す