. 30「運に恵まれたバカ」 ページ31
.
足音が俺らの隠れるデスクの前で止まった時。
俺とさかたは目で合図をしてデスクの下から出てドアへと走った。
ま「あっ!!逃がさない!!!」
書斎室に入ってきたのはまふだったようで眉間にシワを寄せながら俺たちを追いかけた。
まふは握力だとか腕の力は強いほうだけど足は細くて弱々しい。
俺とさかたのチームプレーでどうにか逃げ切った。
運良く、周りには誰もいなかったようで俺達が走った足音も気づかれなかった。
流れ込むように、次は地下室に入った。
地下室はひんやりとした空気で少し不気味だった。電気も見つからず薄暗い地下室に2人で座った。
『…くらいね』
さ「あ、A暗いの苦手やったっけ?」
平気そうな顔で俺を見るさかたは、まふから逃げ切ったことが嬉しいようだ。
俺は苦手な暗所にいる恐怖の方が強くなりそれどころじゃない。
さ「にしても、まふくんで良かったな!もしうらさんとかそらるさんだったら今頃…」
『あ、やめて。想像しちゃうから』
そらるは陸上部。
うらたくんはボクシング。
そもそもそらるに見つかったら逃げられない。
うらたくんは全体的に筋肉があるから捕まったあとにもがいても効果がない。
…同じチビとして筋肉の違いが恥ずかしい。
さ「さらに、地下室に入れたことは最高だよね、声でバレないし」
と、少し声を大きくしたさかた。
『たしかにね。…暗いのは嫌だけど』
とりあえず怖さを間際らすためにさかたに近づいて座る。
さ「…A、」
『ん?』
さ「俺、男なんやけどなぁ…」
『…え?うん。ちなみに俺も男だよ』
さかたがボケを挟んだのかと思って乗ったら、はァ、と深いため息を吐かれた。
さ「そうやなくて…Aはさ男との恋愛はキライ?」
少し苦笑いで聞いてきたさかた。
さかたは、男同士の恋愛に興味があるのか。
『ん〜、嫌いじゃないよ。好きでもないけど。ただ、男の前でも警戒しなきゃいけないのは楽しくなくない?』
普通の疑問を普通に言ったつもり。
なんだけど、さかたは目を見開いて俺を見た。
.
608人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハル - 僕も歌テストあったな。もちろん、最高得点より上の12点だけど、作者さんは歌嫌いなんですか?僕は大好きです! (2022年1月26日 22時) (レス) @page10 id: c9337234ed (このIDを非表示/違反報告)
狸です。 - 速くない? (2019年4月7日 19時) (レス) id: d89b3db748 (このIDを非表示/違反報告)
狸です。 - 聞いて良い? さかたんは50メートル何秒? (2019年4月7日 19時) (レス) id: d89b3db748 (このIDを非表示/違反報告)
名無し先生@男主製造者(プロフ) - 杏奈さん» わざわざありがとうございます!!沖縄弁が変換で出てきたので合ってるかと軽く使ってしまいました^^; 修正させていただきます!あお指ありがとうございました! (2018年7月9日 10時) (レス) id: 7c6295ab3b (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - 沖縄弁…ここでは、方言って言うんで、沖縄弁は、存在しない?と思います。沖縄在住の者より。 (2018年7月8日 18時) (レス) id: 933a615838 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:名無し先生@男主製造機 | 作成日時:2018年5月17日 19時