9.単純 ページ10
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銀時が何やら不満そうに頬杖をしながら窓の外を見ている。
『…』
沖「旦那、分かったなら帰ってくださいよ」
銀「……やだね」
俺が自ら総悟の飼い猫だ!と言ってから銀時は多少文句を言った後帰らず俺の向かい側に座った。
銀「大体さぁ、単純すぎんだよAクン」
と、いつの間にか頼んだパフェを食べながら銀時は俺を見据えた。
銀「食べ物に釣られるなんざバカがすることだぜ、バカが」
『…銀時には言われたくないんだけど』
銀「あぁ?そりゃ…過去にそんなことがあったかもしれなくもないかもしれない。が、ンなことで飼い主を決めることはしねぇよ」
『るっさいなぁ。大体、俺のことにゃんだし銀時がそこまで言う必要にゃいデショ』
俺はクリームメロンソーダを食べていた小さなスプーンで銀時のことをビシッと指した。
銀「……俺がどんな思いでお前を探してたか」
『…猫は気まぐれなの〜』
と、最後の一口を食べ、腕を頭の後ろに組み背もたれに寄っかかった。
銀「なぁ、俺んち来る気ない?」
沖「ちょいと旦那。うちの猫を誑かさないでくだせェ」
銀「誰がうちの猫だコノヤロォォ!!」
『銀時が何言おうと俺は総悟の猫だにゃ〜』
銀「とか言ってまた気まぐれで消えるんだろ」
銀時はやれやれと肩を竦めた。
『なわけ』
銀「俺の猫になれば毎日クリームメロンソーダ食えるけど」
『……ぇ…』
銀「おいちょっと今迷っただろ」
沖「こりゃ躾が必要か」
『ち、違うから!』
銀「三食焼き魚」
『にゃぁぁ〜〜〜』
焼き魚とクリームメロンソーダの誘惑に自分の欲望とプライドの間を行き来した。
これはもう銀時の家に行っていいのかもしれない。行くことが最善なのかもしれない。
『ぎ、銀時の…くぅ…!!』
隣からの黒い目線が刺さる…!!
すごい刺さってる…!!
痛い……!!!
銀「おいおい脅しはダメだぜ沖田くぅん」
それを分かってか銀時はニタニタと総悟を煽る。
馬鹿か、馬鹿なのか銀時…!!
沖「さァ、何のことやら。ねェ、A?」
やばい。
総悟の今まで見たことのない笑顔がある。
これはやばい。
『や、やっぱ、総悟の飼い猫に決まってるにゃ〜……』
目線をまるっきり逸らしてしらばっくれたように言ったら、銀時はちぇっとスプーンを乱暴に置いた。
銀「じゃ、俺帰るわ。」
と、席を立ちヒラヒラと手を振って去っていった。
……金を払わずに。
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琉樹 - めっちゃおもしろいです!!更新楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (2019年8月5日 18時) (レス) id: 8239e5b652 (このIDを非表示/違反報告)
クミコさん - あいあむ更新待ち。早く書いてくだせぇー旦那ぁぁぁー← (2019年7月17日 0時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
名無し先生@男主製造者(プロフ) - 白昼夢さん» コメントありがとうございます!面白いだなんて…勿体無いお言葉です…!更新もう少しお待ちください(;; (2018年3月25日 1時) (レス) id: 7c6295ab3b (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢 - とっても面白いです!!夢主が可愛い…!!更新頑張ってください! (2018年3月24日 11時) (レス) id: 03cd751316 (このIDを非表示/違反報告)
名無し先生@男主製造者(プロフ) - nerumaさん» ほんとですか(号泣)嬉しいコメントありがとうございます!! (2018年3月11日 10時) (レス) id: 7c6295ab3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し先生@男主製造機 | 作成日時:2018年1月13日 5時