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F ページ43

at ベッド


暗がりでも分かる表情に、頬が自然に緩んでいく。

F「ね、言ってみて」

わざと甘く囁けば、パッと外れてしまう視線。


ふわふわと掠める髪に頬を埋めて、やっぱり直感に従ってみてよかったと安堵した。

いつも通り読書してた深夜…。

なんとなく落ち着かなくて、北山の様子を…って踏み込んだ寝室の気配…。


小さく丸まった背中に、きゅっと胸が疼いて思うままそっと驚かせないように近づいた。


おとなしく腕の中に納まる身体は、いつもいつも愛しくて…服を掴む手から北山の気持ちが伝わってくる。


Ki「………むり」

はは…むりって。


モゾッと腕の中で身動ぎする背中を、促すように優しく叩く…。


「ちょこーっとでいいから」


Ki「………キ…」


…ほら、もうちょい。

がんばれー。


なんて、心の中で応援してみたり…。

いや、もちろん分かってるんだけど…やっぱり言ってもらいたいっしょ、ここは。


いつから北山の気持ちが俺に向いてたかなんて、もうどうでもいい。

今こうやって同じくらい俺を思って、寄り添ってくれてる。


…だけどさ、たまには言葉でその声で感じたい。


これくらいの我が儘、北山だって言ってくれていいのにな…。


Ki「…キ………し……っムリ…」


あー……。

ヤバいわ。


『キスして』ってさらっと言えない可愛さ。


俺しか知らない顔…。


「…キスしてほしい?」


その瞳がチラリとこっちを見れば、頷きなんて待って焦らしたりしない。


Ki「……ん…」


ゆっくり押し付ければ、弾力のある柔らかい唇が遠慮なく返してくれる。


首の後ろにまわる腕に誘われるまま、この甘さを堪能するように密着した身体から伝わる、トクトクと早い鼓動…。


もうちょっと…、ねだってみようか。


「キスだけで…いい?」


俺は足りないんだけど…。


触れあわせたまま囁けば、ほんの少し唇が震えた。


返事の代わりに、裾から背中に直接触れてくる手のひらに胸が高鳴った。


「…ありがと」

Ki「…ん」


触れた手のひらに、熱くなる肌の温度…。


俺しか知らない、甘い声…。


「……っ」

不意に初めて触れあった時の感覚が甦って、目の奥が熱くなった。


嬉しくて幸せで…、ずっと隣か前にしかいなかった北山が腕の中にいて…。


Ki「…ん…はは…なんだ?どした」


そうやって幸せそうに…笑ってくれてる北山が


愛しくてしかたない。


Ki「…ありがとな」


その一言に、全てが詰まってて


胸に愛情が溢れた。

F→←Ki



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設定タグ:キスマイ , 俺足 , 藤北   
作品ジャンル:タレント
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作者名:みつか | 作成日時:2017年9月2日 11時

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