愛しいもの (ページ34)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:516,835 hit

S ページ34

at 楽屋

Ki「ケホケホっ…う～…あ～…ゲホっ」

…あぁぁ。

「ひろみつ…大丈夫？」

苦しそうな咳に、そっと背中を擦る。

Ki「ん～…わり。ｹﾎ…うつるからあんま触んな」

…でも。

熱をもった背中をモゾモゾと捩る…。

それでも「大丈夫だよ」ってそっと手を添えた。

「…ごめんね」

Ki「しかたねえって。ｹﾎ…薬飲んだから平気だろ」

「…うん」

でも…俺が風邪ひいたからうつったんじゃん…。

何故か昔から俺とひろみつは、風邪のうつし合いが多い…。

前までなら、その事だけ申し訳なかったけど…。

今は独りじゃないもんね…。

チラッと奥のソファに目を向ければ、ワッターにヨシヨシされてるガヤさん…。

たぶんひろみつのことだから、ガヤさんにうつらないようにって動こうとして、言い合いになったのかも…。

ガヤさんも…ごめんね。

2「ちょ！ミツ！それ俺のお茶！もーっうつるじゃん！」

Ki「あ…わり」

熱でぼんやりしてるのか間違って手を伸ばしたペットボトルに騒ぐニカに、申し訳なさそうに頭を掻く…。

「ニカ、お茶ぐらいいいでしょ？デカイ声出すなよ」

Ki「いーよ。ニカごめんな？気ぃつけ…ｹﾎ,る」

もー…こんな時にも甘いんだから…。

2「もーっ早く治してよね！つまんないじゃん」

Ki「おー。最速で治すわ…んは…ゲホゲホ」

2「ああっ！しゃべんないでいーから！」

なんだよ…ニカだって心配なんじゃん。

結局モンクたれてたペットボトルをわざわざ開けて飲ませてるし…。

Ki「ほれ、千賀も準備しなよ。薬効いてきたっぽいから大丈夫だし」

S「ん。しんどかったら言ってね？」

ヒラヒラ手を振って応える、少し落ち着いてきた背中から手を離した。

朝イチでひろみつから接近禁止を言い渡された、玉と宮田の座る鏡の前に移った。

この二人も、俺の次にうつりやすいもんな…。

M「きたみつ大丈夫？」

T「薬飲んだの？」

この二人も…ニカ同様だよねー…。

でもニカと違うのは、ちゃんと言い付け守って離れてるとこだけどね。

S「薬効いてきたみたい。今日歌なくてよかったよね」

T「ほんとそれ」

M「今日は俺ががんばるぜー！喋るぜー！」

T「事故んなよ」

M「あははは…」

S「ぷ。亡骸はちゃんと拾うよ」

M「やめて千ちゃん…」

T「ま、片方がテンション戻ったっぽいからだいじょぶでしょ」

S「だね」

何故か妙に気合いの戻ったガヤさん。

ひろみつは独占できなくなったけど…

幸せならそれでいいか。