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F ページ32

at 寝室


Ki「返せって。おーいー」

「あ…はぃ…」

失礼しました。


…て、いやいやいやいや

「…なにしてるの?」

Ki「は?寝てんでしょーよ」


Ki「あ、パジャマ借りたぜ?出しっぱだったから」


うん。そうね。寝てるね。

うん。脱ぎっぱだった俺のパジャマ着てるね。


暗闇に慣れてきた目で確認すれば、ぼんやりした輪郭がはっきり見えてくる…。

少しだけ笑いを含んだ声。

ぎゅーって顔を埋めて抱きしめる奪還した抱き枕から、ちょっとだけ覗く瞳が柔らかく細められた。


Ki「ら…いん」

「…?」

Ki「きたから…、きた」

…え?

Ki「…ちがった?」


気まずく上目に窺う瞳が、ゆらゆら揺らぐ…。


Ki「…呼ばれたって思って…。あー…ちがったか…」

ひさびさ間違えたわ〜。

言うなり、ゴロリと寝返りをうって背中を向けてしまった。


Ki「…なんか言えよ。…恥ずいだろが」


ボソボソと呟く、その後頭部にチョイっと触れてみる…。


…ほんものだ。

夢じゃなかった…。


「…ありがと」


Ki「…なにそれ」


…だって。


「ふふ。間違ってないよ。返信あったら来てって言おうと思ってたから」

Ki「充電ヤバかったし…直で行ったほうが早かったし…眠かったし…藤ヶ谷のベッドのが…寝やすいし…」


「そか」


聞いてもいないのにボソボソ紡がれる声に、胸の中がちょっとずつ温かくなる…。


髪から指を滑らせて、そろっと耳に触れてみた。

「…クク」

Ki「…んだよ。笑うな」

熱い耳…。

きっと、抱き枕に埋められた顔は真っ赤…。


「ありがと」


抵抗なく腕の中に収まる背中を抱き枕ごと抱きしめれば、足りなかったものが満たされてくる…。


わざわざ遠い現場から直で帰ってきて、いつもならちゃんと自分のTシャツ出して着てるのに。


腕の中の俺の匂いに包まれたその身体に、愛しさが沸き上がる。


Ki「ふじがやさん…」

「はい?」

Ki「…当たってる」

…あー。ま、そーなるよね。

「んー。気にしないで」

Ki「いやフツーに気になんだろ」

「まー、ほっときゃ治まるから」

だからあんま動かないでね。

きゅっと萌え袖になっちゃってる手を、そのまま包み込んで目を閉じた。

優しい沈黙が心地よくて、ホッと息を吐く。


確かに反応しちゃってるけど、それよりも心を満たす温もりを堪能したい。


ね、北山?

やっぱり、一緒に…


Ki「…ちゃんと俺も起こせよ」

「りょーかい」


毎日一緒に…

こんな時間を過ごしてくれませんか?

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設定タグ:キスマイ , 俺足 , 藤北   
作品ジャンル:タレント
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作者名:みつか | 作成日時:2017年9月2日 11時

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