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at 2日後


監「調子良いね!なかなか良い感じだよ!後ちょっと頑張ろうな!」

「は、はい…ありがとうございます!」

撮影も終盤、掛けられた声に頭を下げれば、「硬い硬い」と笑われてしまった…。


Ki『真面目すぎ!んはは。もっと力抜けって』


…わかってるんだけどなぁ…。


いつもの笑顔と共に頭ん中で思い出す声に、ワシワシ頭を掻いて苦笑いの溢れる口許を覆った。

でも、かなり緩和されてきた人見知り…、誰のお陰かなんてきっと本人は気付いてないんだろうけど。


Ki『ま、そんなとこが藤ヶ谷の良いところだよな』


仕事で絶対的な信頼を寄せてくれる北山に、応えていきたいと思う、心地好いプレッシャー。


仕事の緊張から解放されれば、直ぐに思い浮かぶ愛しい存在…。


私服に着替えて迎えを待つ間、手にしたスマホの画面を見つめてほんの少し溜め息が溢れる…。


「…まだ終わってないのかな」


既読のつかないトーク画面に、〔終わったよ〕
とまたメッセージを乗せて、忘れ物しないようにとすぐポケットにしまった。


忘れ物だって…最近はちゃんと自分で防止できますよー?北山さーん?。


何で家から出るときだけ、ちゃっかり忘れ物してるんでしょーかっ?。


…なんて、言ったところで

『わからん』

の一言でバッサリなんだろうけど。


くるくる変わる表情を思い浮かべれば、自然と作っていた顔が緩む。


何年経っても…違うか、何年も経つ毎に愛しさが増してくる…。


渉たちに言わせれば、なんでそんなメンドクサイことしてんの?なんて笑われるけど…。


北山の気持ちが伝わってくればくるほど、口にできない彼の代わりに、俺の口が同じ想いを声に出す。


付き合い始めたばっかの頃は北山の気持ちを向けてもらうことに必死で、今思えばかなり余裕がなかったな…。

半年前だって…、余裕がなかったんだよな。


Ki『好きすぎて、苦しい』


今もあの声を思い出す度に胸がきゅっと疼く。


そういえば…いつから、北山は俺に気持ちを向けてくれてたんだろ…?


戸惑いがちだった空気が遠慮がちになって、ゆっくりだけど寄り添ってくれるようになってた…。


こんなこと考えるなんて、なかったな…。


たぶん、この前の北山から感じた甘い空気と、休憩中の北山の表情が引き金なんだろうけど。


好きだよって…

言われてる気がして。


そっと触れた温もりが、離れたくないって伝えてる気がして。


リアルに指先に残る大切な温もりを


そっと握った。

F→←Ki



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設定タグ:キスマイ , 俺足 , 藤北   
作品ジャンル:タレント
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作者名:みつか | 作成日時:2017年9月2日 11時

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