秘密にしてたもの

39話 ページ40

しのぶ「何言ってるんですか、命は1つしかないんです、人の自由ですが、死ぬ時ぐらい他の人を幸せにしてから死にたいって思いませんか？」

隆一「…そ、ですね」

しのぶ「人それぞれですから、同じ道を歩まなくてもいいんです」

隆一「俺は鬼殺隊で人を守る、鬼と戦って負けたら死ぬ、人との争いで負けることはない」

しのぶ「如月さんは負けました、もう帰ってきません」

隆一「ごめんなさい…」

隆一は掠れた声でもう一度謝った。

しのぶ「人との争いも辞めてください、如月さんの分も強くなってください」

隆一「…はい」

アオイ「しのぶ様…」

しのぶ「アオイ、後はお願いします」

アオイ「はい」

しのぶは涙を拭いて、処置室を後に自室に戻る。そしてまた手紙を読んだ。

しのぶ「如月さん…」

しのぶは静かに泣いていた。ろくに話しも出来ずにAが死んだのを悔やんだ。

しのぶ「あの時…外で待ってると言っていれば、話せたかもしれないのに…」

御館様から席を外して欲しいと言われた時だ。吐血をしたAの事は心配ではあったが、隠の方が屋敷に運んでくれる、それに執行されるのは今日では無いと思い、治療の方を取ってしまった自分が嫌になる。

しのぶ「…最後に話したかった…」

冷静になって考えてみると、これから死ぬ人間を治療するはずが無い。



















しのぶ「彼より私の方が馬鹿なのかも知れません」



















しのぶさんへ

いままでありがとう
きみ達には本当にお世話になった
てがみを読んでいるという事は僕は死んだよね
いつの日かまたしのぶさんに会いたい、この
るりいろの世界で

如月A

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