灰色 4 ページ6
一日中、家に居た私にとって今日初めて外に出る。
扉を開けると穏やかな風が吹き抜けた。
『却説と、近くの店まで行くか……。』
行き先が決まると顔を隠すようにフードを深く被り、店へと向かった。
_____15分後
歩いている途中に私は在る事を思い出した。
"この辺りで人食い虎が出るらしいから外出する際は気を付けるんだよ?"
"2週間程前から白い虎が街を荒らしている"
そう云えば、人食い虎がこの辺を彷徨いてるって云ってたっけ。
先程見た記事を思い出して居ると何時の間にか鶴見川へと辿り着いた。
"4日前に鶴見川で人食い虎を発見"
此処で最後に虎を見掛けたのは4日前の出来事。
そもそも如何して街中に野生の虎が居るのか。
動物園から逃げ出したと云う話も無ければ、近くに虎が住める森なんて場所も無い。
可能性としては【異能力者】と云う場合も有り得ない事は無いが。
___だとしても私には関係の無い事。
私は本来の目的で在るお店に向かおうとした時、事は起きた。
ガサッ……ガサッ……
隣の草茂みから"何か"が此方へと迫り寄ってくる気配。
私は其れと反対に一歩一歩後ろへと後退り距離を空ける。
そして草茂みからゆっくりと出て来たのは世間で騒がれている例の白い虎だった。
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作者名:星ラムネ | 作成日時:2018年10月17日 22時