携帯獣疾風伝【ポケモン×戦国BASARA】 (ページ13)

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１１話闇に染めんページ13

上田城は、見た目遠そうに感じたけど、
そんなに遠くなかった。

どこをどう通ったかわからないけど、
いつの間にか城の庭らしき所に立っていた。
ここから見える部屋のほとんどは襖を通して
明かりがついていないみたい。

…もしかして、みんな寝ちゃった？

だとしたら私たち、そうとうヤバくない？

寝てるあいだに不法侵入って、この時代の人たちに
とっては忍びじゃん？！

私はあたふたと焦った。
庭の周りをグルグルまわりながらなにか手がないかと、考えた。

もう少しで、思いつきそうだった。

「佐助ぇぇエェェエェェェェェエーーッ！！」

しかし残念な事に、彼が発した言葉で思考回路は
ショートしてしまった。

《燐は10のダメージを受けた！》
《燐はテンションが2下がった！》

「む、そこに居るのは何奴だ！」

わーわーわーわー
どうしようどうしようどうしよう！

…もう、なんか良いや。普通にしていよう…。

『うぅ…すいません…ここが何処だか
お聞きしたいんですけど…』

それと同時だった

「旦那ーただいまー…さっき森で…って誰？」
「む…佐助か。道に迷ったらしいんだが…」

「…」
『…』
「…」
『…』

佐助と呼ばれた人物は赤い人の話を聞くと、
私を睨み始めた。

「その格好、ここらの人間じゃないね」

『えぇまぁ。』

「アンタ、どこの国の人間だ？」

『…国、と言われましても…私のところは地方なので…うーん、外国ですかね？』

「なにその安全保証は無いです発言は」

佐助さんは私を怪しく思い始めたのか、
さらにジロジロと睨んでくる。

『とりあえず、日本でない事は確かです。』
「にほん？日ノ本の事？」
『はい』

「アンタ、未来から来た人間の仲間でしょ」
『え？未来？』
「とぼけても無駄だよ。白状しな」
『いや、白状しろと言われましても…』

グイッ

え…？
「白状しないと、殺すよ」

私に突き付けられたソレは、時間が経過するたびに
グイグイと首に食い込んでいく。

ソレは月明かりでキラリと怪しく光った、
刃物だった。

白状すれば助けてくれるのだろうけど
あいにく、理由がない。

い、いや…！
誰か…！

「どもー☆佐助さんお久しぶりっす…って
なに女子相手に刃物突き付けてんすか？！」

「一部始終見た奴が言う言葉それ？」
「あっ、バレた？」

え。なんであの人この状況であんなに軽いの？
羨ましいよ反対に！

私をチラッと一瞥してから彼(?)は言った。

「うちの友達に手ェ出すなやボケェ」