狗巻棘 「キャンディーキスチャレンジを行え」 ページ35
リクエスト。
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五歳児と並ぶくらいに目が輝いた狗巻先輩は、「しゃけ!?」これ全部食べていいの、と力強く私に訊ねた。いや知らんけども……、そもそもソレこの部屋からのサービスってワケでもないだろうと思いながら「いんじゃないですかね」と応答した。
私は特に甘党ではないが、五条先生がウチに来る時はなにかと饅頭などの甘いものをもってきていたので、若干それ寄りになっている気はする。ちなみにラーメンは醤油派だ。醤油のこってりが大好きだ(すごくどうでもいい話)。
「ツナ、ツナ」
「いらないのって言われても、狗巻先輩、私達今からキャンディーの味当てなきゃいけないんですよ。一応食べるのやめておきましょうよ」
「高菜……」
しょんぼりした様子の狗巻先輩。可愛い……、相も変わらず可愛いな狗巻先輩。ぱんっ、と手を叩くと大きな目で此方を注目してくれる狗巻先輩。イヤほんとに可愛いなこの人は!!
ルールを説明してから「狗巻先輩の方があてられそうですよね」と言って飴を最初に食べるのは私になった。ゲーム感覚だから狗巻先輩は心なしいつもよりワクワクしているように見える──まあこの人悪ノリ大好きだしな。途中でディープキス挟むことになるが。
なるべくわかりやすいものがいい。ブドウとか味が特徴的だしわかるだろ、と思って口に放り込む。飴なんて久し振りに食ったぜ……、小さい頃駄菓子屋でスゲー糸引き飴買ってた記憶ある。アレ確か十円だった。今度買いにいこう。
「しつれーします」
「しゃけ」
目を瞑りながら、普段上げている首元のジッパーを下ろして出迎えてくれる狗巻先輩。妙な背徳感に襲われながらも、飴の味が染みついた舌を狗巻先輩の舌に合わせる。ゆっくりと差し込もうとしたにも関わらず、彼はがっつくように私の後頭部に手を回した。
想定していなかった出来事にくぐもった声が口の中で潰れる。狗巻先輩のキスはねっとりしている気がする。唾液が混ざり合うような感覚に身が硬くなるが、狗巻先輩が当ててくれなきゃどうしようもないのでなんとか彼の舌の動きに合わせた。頬の内側を舐められる感覚に悪寒に近いものを覚える。
──言葉通り口中を舐め回した狗巻先輩は私から唇を離し、すこぶる色っぽい表情で、「ぶどう?」と言葉を発した。ぐでぐでになった私は珍しいものが聞けたな、という感想を抱くのみである。腰抜けた。
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coco - 更新待ってまる (1月13日 7時) (レス) id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 愛実さん» コメントありがとう御座います!此方こそリクエストありがとう御座いました。更新再開の目途は全くたっておりませんが、再開を心待ちにしてくれている方達にホント申し訳ないので頑張りたいです……!! (2021年12月22日 12時) (レス) id: cabf6df670 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - リクエスト、書いて下さりありがとうございます!また更新を再開してくださるまで待っています…!! (2021年12月19日 18時) (レス) @page37 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - ねいるさん» コメントありがとう御座います、今のところリクエストを再開するつもりはありません。連載再開を目指したいのは山々ですが、再開するにも数か月はかかると思っておいてくれると助かります……。 (2021年12月6日 16時) (レス) id: cabf6df670 (このIDを非表示/違反報告)
ねいる(プロフ) - リクエストが再会するのはいつですか?? (2021年12月3日 18時) (レス) id: 0c9247bbc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2021年8月28日 17時