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将来頭打って呪力が操れなくなりました、とかいうことになったらどうしようかな……、五条さんの知り合いにも
「どっちがやる?」と声を掛ければ、「俺は正直味とか分からん」と言われ、私がやることになった。味とかわからんつって、シュールストレミング(世界一臭い缶詰)くらいだったらわかんだろ。
「アレは食い物じゃない。絶対にだ。思い出させるな」
「はっはー、面白いこと言ってやが……、え? 食ったの?」
「五条先生が持ってきたんだよ……」
思い出したくないとばかりにぐしゃぐしゃ髪をかきまぜる伏黒。流石に同情を禁じ得ないなソリャ。
伏黒が適当に一つ選び(なにを選んだかは見えなかった。見えちまったら流石にイカサマ判定されるかもな)、「目ぇ瞑れ」と私の瞼の上に手を置く。んが、と口を雛鳥のように開いて待つ。まだかな、と言外に請求しているのを悟られたのかデコピンを喰らった。コイツのデコピンすげぇ痛ーんだって!
「んむっ」
ぬる、と舌同士が絡み合う。気持ちが悪いというほどではないけれど、得体の知れない感覚であることには間違いない。ぞわぞわして、ぐらぐらして、据わりが悪いのだ。
普段のように主導権を完全に奪われている状態じゃないし、相手も普段軽口を叩きあっている伏黒だ──逆に気まずいという思いもあるが、『もうちょっとコッチに合わせろ』という意味で唇を噛んでやる。流石に驚いたようで身を引きかけた伏黒の奥襟を掴んで保った。こういう状況でもなきゃコイツの奥襟なんて軽々とれねぇな。
やっていることと絵面がマッチしていない。ヤンキー同士が路上で盛ってると思われても仕方のないような見場だ。マ私ガキの頃も優等生じゃあなかったし。
海外の映画のラストシーンで見るようなフレンチキスだった。最初の方に強く感じていた香りも唾液が混ざり合って薄まっていく。くふ、と空気が抜けるような音がした。
「……ッあ゙ー、はー……、ごほっ、けふ……、オレンジ」
「は、……正解。つか途中なんで噛んだ、痛ぇ」
「てめーのペースが速ぇんだよ! こちとら背伸びしながらキスしとんだぞ」
「背が低いヤツは大変だな」
「ぶっ飛ばすぞてめえ」
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狗巻棘 「キャンディーキスチャレンジを行え」→←伏黒恵 「キャンディーキスチャレンジを行え」
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coco - 更新待ってまる (1月13日 7時) (レス) id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 愛実さん» コメントありがとう御座います!此方こそリクエストありがとう御座いました。更新再開の目途は全くたっておりませんが、再開を心待ちにしてくれている方達にホント申し訳ないので頑張りたいです……!! (2021年12月22日 12時) (レス) id: cabf6df670 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - リクエスト、書いて下さりありがとうございます!また更新を再開してくださるまで待っています…!! (2021年12月19日 18時) (レス) @page37 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - ねいるさん» コメントありがとう御座います、今のところリクエストを再開するつもりはありません。連載再開を目指したいのは山々ですが、再開するにも数か月はかかると思っておいてくれると助かります……。 (2021年12月6日 16時) (レス) id: cabf6df670 (このIDを非表示/違反報告)
ねいる(プロフ) - リクエストが再会するのはいつですか?? (2021年12月3日 18時) (レス) id: 0c9247bbc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2021年8月28日 17時