【呪術廻戦】 待て、を飲み込んだ。【○○しないと出られない部屋】 参巻

伏黒恵　「キャンディーキスチャレンジを行え」 ページ33

リクエスト。


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　小学校の頃に『他人の嫌がることは進んでやりましょう』と教わったけれど、ついつい他人に悪戯してやり過ぎた時、私が先生に言い訳する内容は決まって『先生が言ったんじゃないですか』という屁理屈だった。もちろん倍怒られた。額面通りに受け取って何が悪いか。

　──なんて雑談を最初に振ったのは、コイツ他人に悪戯とか絶対しないタイプだっただろうなぁと伏黒の良すぎる顔面を見て思ったからである。本当にコイツは嫌になるくらい顔面が良いな……、小学校の頃とかクラスの女子の『好きな人ランキング』堂々一位入りだろ。ダウナーな感じもまた高評価。



「まぁ私黒髪好きじゃねえけど」

「オマエはさっきから何の話をしてんだ」



　頭痛のしそうな顔で眉間を押さえる伏黒に、「別にぃ」とぼやかして肩を竦める。虎杖ならこういう反応したら「エッなに！？ やめてくれよ教えてくれよ、そういう反応が一番わかんないだろ！」とか言ってきそう。ウワ赤子の手をひねるよりも楽に想像できたな〜……。

　その点伏黒は必要以上のことは喋らない。話を振れば相槌や此方が欲しい反応を理解してキャッチボールを返してくれるし、一緒にいることが苦痛なワケでもない。真面目な委員長などに好かれそうなタイプである……、頭のいい人間にとってこういう物分かりの良い人間と一緒にいることは楽なのだ。


　キャンディーキスチャレンジの概要を説明すると、伏黒は少し考えたように顎に手を当て、「それなんか意味あんのか？」と言った。意味があると思っていることが驚きである。イチャつくための名分が欲しいだけだ。ひとえに風の前の塵なのだ。



「オマエたまによくわからないことを言いだすよな……、中学の頃やったな、それ」

「なんだったっけ、祇園精舎──ああ、平家物語だ。平家物語」

「別に忘れてねえよ。ドヤ顔でこっち見んな」



　私の方が先に思い出したぞ、という意味を込めて胸を張ったら何でもないことのように「バカなんじゃねえの」という目で見てくる伏黒。うるせぇなコレでも中学の頃は頭が良かったんだよ。あの頃ホンット勉強とかしてなかったな……、元々呪術師になることは知ってたし勉強する意味もねぇだろって思ってたし。

　実際今も全然勉強していない。中学の頃はまだ授業をまともに聞いていたが、今はその授業すら実戦形式が非常に多いのでマジで頭が悪くなっていると思う。無念である。


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