七海建人 「風邪が移るまでキスしろ」 ページ4
リクエスト。
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亜麻色の髪の乙女、とは言ったものだが──ぼうっとしたような顔で、普段は見ないくらいに頬を赤くしている彼女の看病をするのは、なかなかどうして、精神的にクるものがあった。
七海がAのベッドの横にひざまずいて彼女の頭にある冷えピタをゆっくりと剥がし、前髪を上げて新しいのと交換する。彼女に最大限煩わしさを思わせないという配慮を推してはかる必要もないような仕草に、Aがへらっとした顔で「ありがとう御座います」とお礼を言った。
彼女は汗をかいていた。下着はおそらくベタベタだろうが、さすがに衣服を変えるなんてことはできないので、露出している首回りや腕、少し体を浮かせて背中もタオルで拭いてやる。絞れそうなくらいのタオルを脇に置くと、いつのまにかそれは消えて別のタオルが出現しているのだから不思議だ。
「体だけは丈夫だった、ハズなんですけど」
ぽつりと零したAに、七海はほんの少し片眉を上げた。風邪の際は喉もやられる人がいるし、何より見るからにしんどそうな彼女を喋らせたくはない。しかし本気で辛いならこのまま寝る。そういう人間だと、七海は少なからずAのことを理解していた。
Aは上半身だけ体を起こして、新しいタオルで自分の身体を拭いている。胸元や腹がちらちら見えているが、指摘しても何のことやらという顔をされるだろうと思ったので極力視界に入れないよう努めた。
「だから、こんな、風邪を引いた覚えなんてないんです……、幼稚園、とかそれくらいの時にインフルで休んだことくらいしか。だから、なんか、わからないです」
「風邪とインフルエンザは違うでしょう……」
「う、ううー……、わからないって言ってるじゃないですかあ」
思わず指摘してしまうと、Aはぐっと眉を寄せて子供のような声を出した。つい普段の調子で突っ込んでしまったが、この会話だけでわかるようだいぶ精神年齢が引き下がっている。見るものなんて特にないハズなのに、七海を見たりタオルを見たり、ふらふらと視線が定まらない。
──子供の相手は苦手だ。どうすればいいのかわからない。
幼い子供とAは全く違うのに、どうしてもこの状態の彼女には苦手意識が生まれてしまう。好きでなってるワケじゃないし、後日こんな自分を思い返したら卒倒しそうになるような有様だが、せめて正気は保っていてくれと溜め息を吐く七海。地味に酷い。
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coco - 更新待ってまる (1月13日 7時) (
レス) id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 愛実さん» コメントありがとう御座います！此方こそリクエストありがとう御座いました。更新再開の目途は全くたっておりませんが、再開を心待ちにしてくれている方達にホント申し訳ないので頑張りたいです……！！ (2021年12月22日 12時) (レス) id: cabf6df670 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - リクエスト、書いて下さりありがとうございます！また更新を再開してくださるまで待っています…！！ (2021年12月19日 18時) (レス) @page37 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - ねいるさん» コメントありがとう御座います、今のところリクエストを再開するつもりはありません。連載再開を目指したいのは山々ですが、再開するにも数か月はかかると思っておいてくれると助かります……。 (2021年12月6日 16時) (レス) id: cabf6df670 (このIDを非表示/違反報告)
ねいる(プロフ) - リクエストが再会するのはいつですか?? (2021年12月3日 18時) (レス) id: 0c9247bbc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2021年8月28日 17時
