【呪術廻戦】 待て、を飲み込んだ。【○○しないと出られない部屋】 参巻

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　虎杖は説明を聞くと「あー、そゆこと？」とちょっと困ったような顔をした。流石に虎杖も自分が攻撃されるのはイヤかと思ったが、



「ヤ、そうじゃなくて。つーかむしろ俺の身体は傷つけていいよ。でもオマエはダメだろ」

「何処ぞの少女漫画のようなセリフを」

「オマエはホント茶化さないと会話ができない体質なの？？」



　あきれ顔で言う虎杖。知らんがな。大体いつも脳と口が直結してるからテンポよく会話してるとポンポン言葉が溢れて来てしまうだけである。本当に大事なことは引き出しの中に鍵を閉めてあるから大丈夫だ。他は全く大丈夫でない。

「全然答えになってねぇよ」と虎杖は言いつつ、私の前にストンと腰を下ろして「声出したくなかったら、俺の肩噛んでもいいからね」と前置きして、私の肩を掴んだ。いや、流石に友人の肩を噛むとか無理だが？


　頭の処理が追い付かない内に、狗巻先輩がかぷりと後ろから私の耳を噛んだ。虎杖にばかり気を取られていたから全くの不意打ちで、「ひぃえあ！？」と奇声をあげてしまった。ぼふんと耳が赤くなるのを感じる。顔には出ず耳に出るタイプの人間である。死にたい。



「ひ、……っひ、あ、」



　声が出るのがどうにも恥ずかしく、自分の手の甲を思いっきり噛んだ。かと思えば虎杖が驚いた顔で私の手を口から剥がし(驚いたのは此方である)、「俺のこと噛めって言っただろ」と私の後頭部を掴んで肩を強制的に噛ませた。もちろんすぐに離れようとしたものの、虎杖の力が存外に強かった。

　耳朶を舐められるのにはまだ体を跳ねさせるくらいで耐えられたが、吐息を注ぎこまれたりいきなり噛まれたりすると体に力が入る。ぐ、と犬歯が刺さっている感触が自分でもわかるし、私が耳の刺激に反応する度に虎杖が反射で身を固くしているのはわかるのだが、こればっかりは本当にどうしようもないのだ。


　ホントにゴメンマジでゴメン、と未だかつてない罪悪感が頭の中に渦巻いているのだが、それをぶち壊す衝撃が体から抜けない。粘着性のある水音が鳴ると、自然と足先が丸まる。狗巻先輩の上に乗っているから、私がずっとビクビク跳ねているのが知られているハズだ。無理だ。え？ 無理だコレは。


　──二人がほとんど同時に離れた。私はまだ虎杖に噛み付いていて、数拍おいてから「お、おわ、った？」と訊ねた。案の定腰がガックガクである。



「高菜」

「メッチャ容赦なく噛むなって思った。言ったの俺だけど」

「ゴメンて……」


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乙骨憂太　「深くキスして股ドンしろ」→←狗巻、虎杖　「耳を責めろ」

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