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乙骨先輩はキスが上手いワケじゃないと思う──なんてこと言ったら普通に失礼だと思うが、たぶん、というか十中八九そうだろう。大体彼にはずっと『リカちゃん』がいたのだから、他に恋などしたこともないし、ましてやキスなどしたことがないのは目に見えている。
ただそれは、なんというか、やっぱりセンスの良さが光るのかもしれない。回数だけは──誠に不本意ながら、キスの回数だけは絶対に乙骨先輩より多いという自信(いらない)があるのに、どうしてだか結局最後に翻弄されているのは私なのだ。
「ん、……はい、噛まないでね」
ンなこたァわかっとるわ。
と言いたいのを我慢して(チョコを口に含んでいるので喋れない)、ただでさえドロドロなチョコをはやく食べ終えられるように溶かしながら睨み上げる。ガンを飛ばすことなら五条先生にも「コレで顔に傷でもできたら��姐さん��だね」と言われるくらいには認められている。は？ あの野郎生徒になんちゅーこと言ってんだ。
普段なら美味しく味わえるハズのチョコが口の中にいつまでも残り続ける異物感。思わず眉を顰めてしまうのも仕方のないことで、眉尻を下げながら微笑む乙骨先輩が「そろそろ移そうか」と私の頬に手を添える。
いちいち動作に気遣いが感じられて、委縮というかなんというか、申し訳なく思ってしまう。口内を見せるのに若干の抵抗があり、小さく口の中を開けると彼が目を瞑って唇を重ねた。反射的にぐっと唇を引き結ぶと、ほぼ強引に閉じたそれをこじ開けられる。
「む、んっ、──はふ、ぅ」
「美味しいね」
うッッわコイツ喋る色気の塊だ……。
頬から移動した指先が私の髪を耳にかける。普段だったら完全な不意打ちに「キェァアッ」とか奇声を発していたと思うが、生憎とディープキスの真っ最中だったのでそれすら飲み込まれた。
チョコを取ってくれるのはありがたいのだが、この人は私の口に付いた全てのチョコを食べようとしているのか、舌先だけじゃなく頬の内側や歯茎の側面までなぞってくる。ぞぞ、と首筋の産毛が逆立つ気がした。乙骨先輩の肩に回した手に力が入り、ぎり、と爪を立てた。
じゅるじゅると唾液さえも啜られるような気分で──いや百パーそうだと思うが──乙骨先輩のキスに耐えていれば、ふっと唇が離される感覚にあえぐように大口を開け息を吸う。
制限時間はまだだった。「次はどうしようか」と乙骨先輩が、困ったような顔で笑った。
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coco - 更新待ってまる (1月13日 7時) (
レス) id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 愛実さん» コメントありがとう御座います！此方こそリクエストありがとう御座いました。更新再開の目途は全くたっておりませんが、再開を心待ちにしてくれている方達にホント申し訳ないので頑張りたいです……！！ (2021年12月22日 12時) (レス) id: cabf6df670 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - リクエスト、書いて下さりありがとうございます！また更新を再開してくださるまで待っています…！！ (2021年12月19日 18時) (レス) @page37 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - ねいるさん» コメントありがとう御座います、今のところリクエストを再開するつもりはありません。連載再開を目指したいのは山々ですが、再開するにも数か月はかかると思っておいてくれると助かります……。 (2021年12月6日 16時) (レス) id: cabf6df670 (このIDを非表示/違反報告)
ねいる(プロフ) - リクエストが再会するのはいつですか?? (2021年12月3日 18時) (レス) id: 0c9247bbc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2021年8月28日 17時
