乙骨憂太 「制限時間:一時間」 ページ12
リクエスト。
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『チロルチョコゲーム』『キャンディキスチャレンジ』『ポッキーゲーム』エトセトラ。お菓子の名前が羅列され、その横に『とにかく制限時間いっぱいイチャイチャしてください』との文字がある。そしてそれに対応するかのように文字通り山積みにされたお菓子。きのこの山がある、ワァ、なんに使うんだろう。
遠い目で「胸やけしそうです」と呟く私に「量がちょっとね」と垂れた眉で笑う乙骨先輩。甘いのが苦手って訳じゃないけど、この量を一時間食べ続ける──いや実際はイチャイチャしながらだそうからずっとじゃないんだろうが──というのは、流石に精神の問題ではないだろうか。
五条先生がいたら喜び勇んで食べだしそうだな、という風景。イチャイチャって、この部屋割といい加減なところある。どれから手を付けたらいいのかわからないが、とにかく手を付けないことには始まらない。どうしましょうと翻れば、「順番にやる?」と提案された。聞いてんのこっちだよ。
「乙骨先輩、もっと自分の意志を持ってください」
「いや、これに自分の意志を持ちだしたらそれはそれで問題だと思うんだけど」
「そんなんじゃ日本一の呪術師になれませんよ」
「特になる気もないんだけど。というか五条先生がいる限り不可能じゃないそれ……?」
それもそうである。
乙骨先輩はやはり困ったような顔で笑った。私この人のこんな顔ばかり見ている気がする。確かにいつも先輩を困らせる人間だというのは自覚しているが、もう少しあどけなくなってくれても良いのにとは思う。
ぱり、とチョコの包み紙を剥がす乙骨先輩はキョロキョロと視線をさ迷わせた。…………。適当に置いておきゃいいんじゃないですか、と提案した私に乙骨先輩は赤面してそれもそうだねとわかりやすい照れ隠しで言った。なんなんだろうこの人。
床で座る私は待っている。その視線がじっと彼を見つめていることに気づいた乙骨先輩は「わ、ちょ、目、目ぇ閉じててくれないかな」と私の目をパッと塞ぐ。いや、まあ、構わない。ただタイミングが掴めなくなったので口を開いて待つ。乙骨先輩が恐る恐る、私に触れる。
どちらかというと此処で恐れるべくは彼じゃなくて私だと思うのだが、そういう可愛いところが乙骨先輩が乙骨先輩たる
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coco - 更新待ってまる (1月13日 7時) (レス) id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 愛実さん» コメントありがとう御座います!此方こそリクエストありがとう御座いました。更新再開の目途は全くたっておりませんが、再開を心待ちにしてくれている方達にホント申し訳ないので頑張りたいです……!! (2021年12月22日 12時) (レス) id: cabf6df670 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - リクエスト、書いて下さりありがとうございます!また更新を再開してくださるまで待っています…!! (2021年12月19日 18時) (レス) @page37 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - ねいるさん» コメントありがとう御座います、今のところリクエストを再開するつもりはありません。連載再開を目指したいのは山々ですが、再開するにも数か月はかかると思っておいてくれると助かります……。 (2021年12月6日 16時) (レス) id: cabf6df670 (このIDを非表示/違反報告)
ねいる(プロフ) - リクエストが再会するのはいつですか?? (2021年12月3日 18時) (レス) id: 0c9247bbc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2021年8月28日 17時