【呪術廻戦】 待て、を飲み込んだ。【○○しないと出られない部屋】 参巻

伏黒、七海　「取り合え」 ページ2

リクエスト。


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　伏黒と七海さんは少し面識があるのか、伏黒がぺこりと会釈をすれば七海さんも「お久しぶりです」と返事をした。へー、なんかすごい気は合いそうだけど二人が一緒にいるのってあんま見ねえよな。


　伏黒は条件を確認したのち、見るからに「どうしてこんな女を」とでも言いたげな目をしたまま大きな溜め息をついた。最近伏黒が私を見て溜め息つく回数多くなった気がする。あと虎杖もよくガックリみたいな効果音がつきそうな感じで肩落とすんだけど。なに？ いやがらせ？

　七海さんはそれに比べていつも通りだった。いつも通りのレディーファーストもとい塩対応だった。七海さん呪術師の癖にビジネスマンっぽさが拭えないよね(体の鍛えようとかはもちろん違うが)。アナタに仕事以上の対応は求めないし仕事以上の関係は持ちません、的な。


「なにを？ っていうか、誰を？」


　私がそう訊くと、伏黒が「この状況でどういう選択肢があるんだオマエ」と頭のおかしい子を見るような目で見た。なんで？ 私一応オマエのクラスメイトだかんな。


　前にも虎杖と五条先生で同じ条件で閉じ込められた時、虎杖のことを取り合ったというか共有したというか、とにかくそんな感じで乗り越えたことを話した。虎杖って温いんだぜ、といったときの伏黒のドン引きした顔を皆に見せてやりたい。クール系の顔が歪むのがまたいい。

　しかしここで取り合うとなったら、……七海さんを取り合うしか選択肢がないよな。あんまり接点ないけど七海さんが伏黒取るよりいいだろ。だってぜって〜接点少ねぇじゃんこの人達。


「……いや、私はもうAさんでいいんですが」

「俺も同感です」

「『でいい』っていうのが悲しい」

「うるせぇ」

「…………」


　前々から思ってたけど──というより私が単に気づきたくなかっただけかもしれないけど、伏黒って結構口悪いよね。虎杖には男友達みたいな感覚で喋ってんなあって思うけど、野薔薇にそんな当たり強くなくない？ 私なんだと思われてる？

　いやまあ伏黒が私に当たり強いのは今に始まったことじゃねぇから全然いいんだけど、そもそも『取り合え』ってどういうことをすればいいのかとかものすごく曖昧な条件だよな。


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