【呪術廻戦】 待て、を飲み込んだ。【○○しないと出られない部屋】 弐巻

狗巻、伏黒　「股ドンしながら深くキスしろ」 ページ22

リクエスト。

狗巻くん入れるとギャグか三人称視点かになるので苦手意識がある。克服しよ……。


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　毎度のことながらだが。



　この部屋には自分が気を失っている間に来ているらしい。眠っている時だとか、気絶している時だとか──流石にほぼ九割が前者だけれど──なのでとにかく、誰が一番最初にこの部屋で目覚めるのかは完全に運ゲーなのである。

　狗巻の眠りは浅い方だろう。呪言師はなにかと気を遣う──咄嗟のことでなにか喋ってしまわないように訓練されている。寝起きに夢の内容を独り言で喋ってみろ、辺り一帯が壊滅すること間違いなしだ。故に──というか、前置きが長くなったが、狗巻棘は目覚めた。それだけだ。



「……、こんぶ〜」



　珍しくA以外の姿を此処で見た。伏黒は軽く声を掛けるとすぐに目覚めたが、Aはそうもいかない。コイツマジでアホ面してんな(意訳)、と考えながら狗巻は彼女の肩をゆする。「はは、……うっ、吐きそ……これ以上……」オマエ何の夢見てんだよ。

　伏黒がベチン！ と容赦なくAの頬を叩いた。狗巻はドン引きしたし、Aも何が何だかわからない表情で「ほあ！？」との奇声をあげる。いきなり顔を叩かれて起こされたら誰でもそうなる。いや嘘だな、たぶんコイツだけだな……(失礼)。



「アレ、誰とやるんでしょうか」

「しゃけ」



　バカは放っておこうという思考なのか、伏黒は「えっなに……？ なんで今私叩かれたの？ どういうこと？ つーか狗巻先輩の前で寝こけてたの私？ ちょッねえ誰か答えて」などとほざき始めたAを完全に無視することに決めたようである。可哀想にな、という視線を送ってやった。Aは照れた。理解できない。

　しかしこの条件は、確かに伏黒の言う通り誰とやればいいのかわからない。まさか狗巻と伏黒か？ 地獄絵図なんだが。いや一部の人間には大層喜ばれるだろうが、本人達にとっては全く望まない方向である。動物園のカピバラとキスしてやろうか(？)。




「誰と？ ……なにを？」

「アレだよ、あの条件」

「──？ 伏黒、何処見てんの」

「あぁ？ オマエこそ何見てんだ」

「いや視力AとAだし。バツグンですしおすし」

「は？」




　はい事案発生。


　狗巻はひっそり息を吐いた。──というかオマエら割と喧嘩するんだな。これだけのことで玉犬出すなよ、めっちゃ困惑した顔してるぞ。『誰を……噛めばいいんですか……？』みたいな顔してるぞアイツら。


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