13 『くどくどくどくどく』 ページ6
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「あぁ、A。今日暇か？」
犯人からの押収品を生理していると、後ろから渋い声がかかる。振り返ると壮年の金髪の人──署長が立っている。そんなことを訊かれるのは珍しく、「大型犯罪が来なければ、まあ」と答えた。
「あ、違う、間違えた。仕事終わらせたあと、退勤したら暇か？ っていう」
「退勤したら？ そりゃあ、まあ暇ですね」
警察にはプライベートが死んでる人が多い。かくいう私もその一人で、基本的にずーっと警察で過ごしている。制服以外を最後に着たの、パジャマを除けば覚えてないな。
署長は「そうか」と言って、なにかを誤魔化すように頬をぽりぽりとかいた。言いにくいことでもやる時はやる人だから、そういう姿は珍しいなと思って続きを待つ。
「まぁ……なんだ、最近いろいろあるだろう。警察で、まあちょっとメシでも行くか、と思ってな」
『今までありがとうございました、Aさん』
私は曖昧に頷いた。そうですね、と言うのは簡単だったけれど、簡単ではないことの重要さを知ったばかりだったから。
けれどその誘いは正直言ってありがたい。「行きますよ」と言えば、署長はあからさまにほっとした表情で「そっか、よかった」と息を吐く。警察がプライベートで集まるのは珍しい。直近だとボーリング場で皆でゲームをしたくらいだけど、それも結局犯罪が起こってなあなあに終わってしまった。
「ちなみにメンバーは？」
「あ〜、まあ、ランク４以上……くらいで行こうかなと。あんまり人数が増えてもな、店側に迷惑だろうし」
「そうですね。警察も騒がしくなりましたし」
「ああ、まったくだ」
口調こそ投げやりなものだったけれど、署長の表情は誰よりも和やかだった。体験の子も増えて、新人も増えた。今までいた警官もどんどん練度が上がってきているし、大型犯罪での制圧率も増えている。
「とりあえず煉とキャシーは誘ってオッケーもらった。ネルと直樹は今から誘うから、ナツメが行くかどうか訊いといてくれるか」
「はい、了解です」
ありがとう、と言って部屋を去る署長。押収物をひととおり引き出しの中に入れてから、ナツメに電話をかけた。しばらく着信音が鳴って、『もしもしぃ？』といつも通りふわふわとしたナツメの声が聞こえてきた。
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白夜の世界(プロフ) - なったむさん» コメントありがとうございます！千代田の件ですかね、私もめちゃくちゃ書くの楽しかったです。黄金世代全員“沼”なので……のちのちドリーさんにメチャクチャ夢を見ていることがバレてしまいますね……！！ (1月18日 20時) (
レス) id: 31a6bce1e5 (このIDを非表示/違反報告)
なったむ(プロフ) - 一気に読み進めてしまったのですが、良すぎて言葉が出てきません...😭皇帝パート噛み締めながら読んでます、これが黄金の沼の一角！！これからも応援してます🫶 (1月16日 2時) (レス) id: 5b239e29f4 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 月宮亜香里さん» コメントありがとうございます。本当に自己満足にしか過ぎない作品だけどそう言っていただけメチャクチャ嬉しいです……！！彼のシーンはこちらの配信がなかったのでわざわざ日付を確認して配信を見に行ったのですが、本当にドラマで良かったです……！！！ (1月4日 21時) (レス) id: 31a6bce1e5 (このIDを非表示/違反報告)
月宮亜香里(プロフ) - この作品を読み、青井らだおに更に沼りました…！素敵な作品に出会えたのが奇跡なくらい大好きです！！！一話一話、ホントにドキドキしながら見てます！ヨウさんのシーンでは、つい感情移入して泣いてしまいました😭✨これからも応援してます！ (1月3日 18時) (レス) id: 7474de2f5c (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - えんびふりゃあさん» コメントありがとうございます。ぜひ沼ってください……青井らだおは本当に“沼”なので………！！私も急転直下でハマってしまいました。基本的に毎日一話ずつ更新しております、よろしくお願いします。 (1月2日 14時) (レス) id: 31a6bce1e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2023年12月30日 17時
